浜寺公園駅旧駅舎

浜寺公園駅旧駅舎

南海電鉄浜寺公園駅は、明治30年10月1日の開業(開業当初は浜寺駅)ですが明治40年6月に東京駅を設計したことで知られる辰野金吾が所属の辰野・片岡建築事務所に依頼して新駅舎を建築。「近畿の駅百選」に選定、国の登録文化財にも指定されています。南海本線連続立体交差事業のため、30m離れた場所に曳家し、保存されています。

東京駅以前に辰野金吾が設計した関西最古の私鉄駅舎

浜寺公園駅旧駅舎
曳家前の駅舎
浜寺公園駅旧駅舎
細部に渡る細かな意匠に注目
浜寺公園駅旧駅舎
ハーフティンバー様式の駅舎

辰野金吾設計の木造平屋建てハーフティンバー様式の洋風駅舎は、実は東京駅設計以前に取り組んだもので(東京駅は大正3年竣工)、辰野金吾が初めて手がけた駅舎ということになります。
辰野金吾は、東京駅(竣工時は中央停車場)以外にも浜寺停車場(現・浜寺公園駅/明治40年)、釜山停車場(明治43年)、阪堺軌道恵美須町停車場(明治43年)、南海鉄道難波停車場(明治43年)、万世橋停車場(明治44年)といった鉄道駅の建築にも関わっています。

浜寺公園は、明治6年、公園として指定された大阪で最も古い公園。
明治39年に、南海電鉄などが海水浴場を整備し、上流階級の別荘も建てられ、保養地としての開発が進んでいました。
辰野金吾設計の駅舎完成とともに、駅名を浜寺駅から浜寺公園駅に改称したのにもそんな歴史的な背景があったのです。
逆にいえば、保養地・浜寺公園の玄関駅にふさわしい、一等待合室を有した駅舎をという南海電鉄の希望から、辰野金吾に設計を依頼したと推測できます。

NPO法人浜寺公園駅舎保存活用の会が運営にあたり、絵画や手芸品などを展示するギャラリー、茶や読書を楽しめるカフェ・ライブラリー、イベントホールを備えた多目的スペースとして活用されています。
一等待合室は、往時のままの高い天井やシャンデリア、壁付けの暖炉など、そのままギャラリーになっています。
予定では、高架工事が完成する2028年頃までこの場所で保存活用され、それまで浜寺公園駅は仮駅舎で営業。

浜寺公園駅旧駅舎
カフェ・ライブラリー
浜寺公園駅旧駅舎
暖炉もそのままに活かしたギャラリー
浜寺公園駅旧駅舎
名称 浜寺公園駅旧駅舎/はまでらこうえんえききゅうえきしゃ
所在地 大阪府堺市西区浜寺公園町2-232
関連HP NPO法人浜寺公園駅舎保存活用の会ホームページ
南海電鉄公式ホームページ
電車・バスで 南海電車浜寺公園駅からすぐ
ドライブで 阪神高速4号湾岸線浜寺ICから約1.8km
駐車場 浜寺公園第2駐車場(168台/有料)・第3駐車場(130台/有料)などを利用
問い合わせ NPO法人浜寺公園駅舎保存活用の会 TEL:072-267-1230
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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