大江橋

大江橋

大阪市北区の堂島川(旧淀川)に架かる鉄筋コンクリート造りのアーチ橋が大江橋。大正10年〜昭和16年に行なわれた大阪の第一次都市計画の際、公募されたデザインの橋で、昭和10年完成、国の重要文化財に指定されています。パリのセーヌ川の橋を参考にしているというヨーロッパ風のフォルムが素敵です。

「水の都」、「八百八橋」の大阪を代表する橋

大正3年、社会学者・関一(せきはじめ=「大大阪時代」を実現した「大阪の父」)の大阪助役就任をきっかけに、土木技術者で都市計画家の直木倫太郎(なおきりんたろう)を招いて都市改良調査会が設置され、大正10年〜昭和16年にかけて行なわれたのが大阪市の第一次都市計画(予算総額1億3965万円)。

大江橋の架る御堂筋(みどうすじ)を中心とする39の街路と157の橋を整備し、大阪の骨格を創り上げようとする壮大なものですが、とくに大阪の中心部、中之島に立地する大阪市役所、日本銀行大阪支店(現在の旧館)を挟むようにして架る大江橋と淀屋橋は事業のシンボルともなる橋として築かれました。

大江橋は御堂筋(国道25号)の橋で、地下には大阪メトロ御堂筋線(昭和8年5月20日、梅田駅〜 心斎橋駅間開業)が通っています。

デザインコンペ(「大江橋及淀屋橋意匠設計図案懸賞競技」)にあたっては、大江橋の幅員(37.0m)、橋長(橋長54.5m)のほかに、主構造(鉄骨鉄筋コンクリートのアーチ橋)、淀屋橋と大江橋の2橋とも同一のデザインと定められ、景観的には周辺の建築物や背景と調和し、2橋の間の道路部分のデザインも考えること、などの条件が示されました。

デザインコンペで採用されたのは、大谷龍雄の案。
「南欧中世紀の気分ある近代式を用い、その根底においては東洋趣味の横溢せる」(選評)デザインが評価されたもの。
構造形式は、両橋ともに上路充腹式、鉄骨鉄筋コンクリート造りで、4径間アーチ橋です。

高欄部分は花崗岩貼り、格子は青銅鋳物を用いています。
格子は戦時中に金属供出により失われましたが、昭和62年に復元。

大阪市の第一次都市計画では、橋の不燃化、耐震化だけでなく、橋を大阪の重要な美観要素と考え、「水都大阪」の都市景観を強く意識したため、美しい橋が架けられたのです。
同じデザインコンペ(「大江橋及淀屋橋意匠設計図案懸賞競技」)で築かれた淀屋橋(国道25号/土佐堀川)とはツインブリッジになっています。

大江橋は、国の重要文化財のほか、土木学会の土木遺産、土木学会関西支部の「浪速の名橋50選」にも選定。

大江橋
名称 大江橋/おおえばし
所在地 大阪市北区西天満2丁目・北区中之島1丁目
関連HP 大阪観光局公式ホームページ
電車・バスで 京阪大江橋駅から徒歩すぐ
問い合わせ 大阪観光案内所 TEL:06-6131-4550
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

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