10月下旬〜11月上旬に、鳥取砂丘のらっきょうの花が見頃に

鳥取県鳥取市福部町にある湯山地区らっきょう畑。鳥取砂丘東側のらっきょう畑が、例年10月下旬〜11月上旬に美しい花を咲かせます。紫色の花が一斉に咲き誇り、ラベンダー顔負けの「紫色のじゅうたん」が誕生するのです。新しい観光名所として注目ですが、農作業の邪魔にならないようにマナーを守って観賞を。

一面に開花する様は、「砂丘のラベンダー」とも

遠くに見えるは海士島(あもうじま/あまじま)

鳥取市福部町は90名を超える生産者が120haもの砂丘畑でらっきょうを生産する、全国でも有数のらっきょうの産地。
砂丘という過酷な環境の中で、7月下旬から8月末ごろまでかけて植え付けをします。
「手作業でひとつずつ植え付けをしますが、1人で1日平均1万球も植付けます」(JA全農とっとり)とのこと。

1年間ほど手塩にかけて育てたらっきょうの花見が楽しめる時期が10月下旬〜11月上旬。
収穫の時期は6月です。
海岸の砂丘地帯を利用したらっきょう畑は、東西4km、南北600mと海沿いの細長い区画。
「砂丘のらっきょうが一面に開花する様は、別名『砂丘のラベンダー』と呼ばれています」(JA全農とっとり)。

鳥取のらっきょうのルーツは、鳥取藩の参勤交代の際に、藩士が小石川薬園(現・小石川植物園)から持ち帰ったもの。
もともとらっきょうは中国原産で、日本では薬用として江戸時代に食用になったといわれています。

鳥取砂丘ならではの生命力がみなぎる食材に

らっきょう(辣韮、薤、辣韭、学名 Allium chinense)はネギ属の多年草

生命力が旺盛で砂地でも育つらっきょう。
夏は地表面温度が60度にもなり、冬はの日本海から吹きつける厳しい風雪に耐えるという過酷な条件で育つ砂丘らっきょうは、鳥取砂丘ならではの生命力がみなぎる食材にもなっています。

福部町でらっきょう栽培が普及したのは、らっきょうが酢漬けで味わうようになった大正時代のこと。
収穫量は平地よりかなり少ないという欠点はあるものの、透明感、食味などが勝ることで、今ではブランド品になっています。

現在では機械化も進み、オランダのチューリップの球根を掘る機械を参考にして生まれたという掘り起こし用のトラクターも活躍しています。
それでも植え付けは猛暑の夏場に手作業で行なわれ、気が遠くなるような作業が、美しい花の開花で報われるのだそう。

花が咲く時期はらっきょう農家は雑草などを取り去るなど、重要な農作業のシーズンです。
「砂丘道路」と通称される鳥取県道319号(鳥取砂丘細川線)沿い、オアシス広場に駐車場(154台)が用意されています。

海岸を走る鳥取県道319号(鳥取砂丘細川線)と少し内陸を並走する国道9号・駟馳山バイパス(しちやまバイパス)の間の丘陵地帯は、かつては砂丘だった場所が、長年に渡る地道な農地改良で、らっきょう畑に変身したもの。

「最近、らっきょう畑見学でマナーの悪い人が多い」と地元では苦情が出ていますから、くれぐれも畑の中に立ち入ったり、農作業の邪魔になるようなことはしないようご注意を。

砂丘土産はなんといっても「らっきょう」
鳥取砂丘のらっきょうの花見頃
開花期10月下旬〜11月上旬
所在地鳥取県鳥取市福部町湯山
電車・バスでJR鳥取駅から日交・日ノ丸バス鳥取砂丘行きで、砂の美術館前下車、徒歩15分(土・日曜、祝日はJR鳥取駅からループ麒麟バス運行)
ドライブで鳥取自動車道鳥取ICから約11km
駐車場鳥取砂丘オアシス広場駐車場(120台/無料)、ふくべふれあいランド駐車場(35台/無料)を利用
問い合わせ鳥取市福部町総合支所産業建設課 TEL:0857-75-2814
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

鳥取砂丘

鳥取県東部を流れる千代川河口の東西に発達した海岸砂丘で、東西16km(西端は白兎海岸)、南北2.4kmに及ぶ日本最大級の砂丘。中国山脈から流れ出る千代川の土砂がやがて砂となり、北西の季節風で海岸に吹き上げられ、3万年の歳月をかけて誕生したも

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