毎年4月2日11:00〜・14:00〜、日光山輪王寺で『強飯式』(ごうはんしき)が執り行なわれます。強飯式は、全国でも日光山だけに古くから伝わる独特な儀式。日光山は神仏習合の霊山として開かれ、山伏の山岳修行が盛んになり、行者たちが山中のご本尊に供えたお供物を持ち帰り、里の人々に分かち与えたことが始まり。
強飯式を参観する場合には、特別祈祷料が必要
つまりは、古く奈良時代、勝道上人の日光開山に由来し、その後の修験道へと遡る儀式というわけです。
その後、日光三社権現(千手観音・阿弥陀如来・馬頭観音)から御供をいただく儀式へと発展し、江戸時代にほぼ現在の形になったといわれています。
儀式全体は、「三天合行供(さんてんごうぎょうく)・採灯大護摩供(さいとうだいごまく)」、「強飯頂戴の儀」、「がらまき」のおおよそ3つの部分から成立。
まず、僧侶・山伏・頂戴人、約20名の行列が法螺貝(ほらがい)の響き渡る中、三仏堂に入堂。お堂の全ての扉が閉じられ、照明もすべて消され、明かりは壇上に灯された1本のロウソクのみとなります。
やがて、堂奥から「三天合行供」の読経の声が立ち上り、壇上には「採灯大護摩供」の赤々した炎が上がり、堂内は神秘的な雰囲気で満たされていきます。
この秘法が終わると、堂内が明るくなり、頂戴人が壇上に並び、いよいよ「強飯頂戴の儀」が始まります。
式は「御神酒(ごしんしゅ)」、「祈願文」、「強飯」、「菜膳」、「金甲」、「供養」の順で進行。
なかでも、山伏姿の強力僧が裃姿(かみしもすがた)の頂戴人に3升もの山盛り飯を差し出して「75杯、残さず食べろ」と責め立てる儀式は必見。
飯を強いられ、飯を頭上に乗せられた滑稽な頂戴人の姿は、参観者の笑いを誘います。
この儀式を無事済ませた頂戴人たちが、儀式で授かった福徳を「自分だけのものとせず、他の人にも分けてあげる」という仏教の教えにのっとり、本堂回廊から堂外の一般参拝者へ向けて一斉にまく「がらまき」で総仕上げ、めでたく強飯式は結びとなります。
強飯頂戴人は、江戸時代には、10万石以上の大名でなければ務めることができず、徳川将軍家の名代(みょうだい)や全国の名だたる大名たちも「我が藩の名誉」として強飯頂戴人に名を連ねました。
当時、日光山といえば天皇の皇子を「輪王寺の宮」として迎えた鎮護国家の道場として天下に知られ、大名といえども、おいそれとはこの儀式に参加できなかったのです。
そうした伝統に従い、現在も、頂戴人を10万石以上の大名の格式でお迎えしているのだとか。
第一座:11:00〜、第二座:14:00〜(各座約50分間)。
強飯式を参観する場合には、特別祈祷料3000円が必要。
この儀式を頂戴すれば七難即滅・七福即生、運が開けるといわれます。
各座とも20分前まで申込受付。
特別祈祷を申込には、「福杓子祈祷札」と「福米」が授与されます。
日光山輪王寺『強飯式』 | |
開催日時 | 毎年4月2日11:00〜・14:00〜 |
所在地 | 栃木県日光市山内2300 |
場所 | 日光山輪王寺大護摩堂 |
関連HP | 日光山輪王寺公式ホームページ |
電車・バスで | 東武日光駅から東武バス世界遺産めぐりで8分、勝道上人像前下車、徒歩2分 |
ドライブで | 日光宇都宮道路日光ICから約3.3km |
駐車場 | 100台/有料 |
問い合わせ | 日光山輪王寺 TEL:0288-54-0531 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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