埼玉県横瀬町にある臨済宗南禅寺派の寺が西善寺。秩父三十四所観音霊場・札所8番で、本尊は阿弥陀三尊像(本堂上間に安置)。明治の廃仏毀釈で根岸堂が破壊されたため、十一面観音坐像を本堂に安置しています。ともに平安時代の天台僧・惠心僧都(えしんそうず)作と伝えられています。
阿弥陀三尊に十一面観世音菩薩を祀る
文暦元年(1234年)創建という古刹で、永正12年(1515年)、関東管領・上杉憲房(うえすぎのりふさ)が根古屋城(埼玉県秩父郡横瀬町横瀬にあった中世の城)の整備に伴って中興、西禅寺から西善寺と改称しています。
現存する本堂は、弘化2年(1845年)の築で、阿弥陀如来を中央に左に観世音菩薩、右に勢至大菩薩が祀られるほか、秘仏の十一面観世音菩薩もあり、ボケ封じ・延命長寿・安楽往生の寺として信仰されています。
持山観音と呼ばれる十一面観世音菩薩は、秘仏で12年に一度、午年(うまどし)に御開帳されています。
本堂には
武甲山を借景にする境内には樹齢600年というコミネカエデ(モミジ)が見事(埼玉県の天然記念物)。
紅葉は11月中旬〜11月下旬で、紅葉シーズンの紅葉観賞や撮影目的の場合には志納を(札所参りは不要)。
広重・豊国作 『観音霊験記 秩父順礼』第八番青苔山西善寺 唄念仏
幕末の安政5年(1858年)、午歳総開帳(うまどしそうかいちょう=札所本尊の総開帳)にあわせて、江戸で作成・販売された『観音霊験記』。
秩父六番札所の卜雲寺・萩野堂を描いた錦絵。
歌川広重が札所の様子を、さらに歌川豊国が札所にまつわる霊験(れいげん)を描いています。
里人が、訪れた旅の僧の寺の詠歌を知ってるのかという問に答えて、若い頃歌った念仏唄を思い出しながら、西善寺のご詠歌に節を付けて唄い踊っている姿が描かれています。
左端に描かれた旅姿の僧は、観音菩薩が姿を変えて現れた円通大士(えんつうだいし)。
素晴らしい歌だと、旅の僧は歓喜し、以来、寺運が向上したという霊験が描かれています。
霊場間の距離・時間
7番札所・法長寺(秩父郡横瀬町横瀬1508)— (1.2km/徒歩20分) — 8番札所・西善寺(埼玉県秩父郡横瀬町横瀬598)— (1.8km/徒歩30分) — 9番札所・明智寺(埼玉県秩父郡横瀬町横瀬2160)
西善寺(秩父三十四所観音霊場・札所8番) | |
名称 | 西善寺(秩父三十四所観音霊場・札所8番)/さいぜんじ |
所在地 | 埼玉県秩父郡横瀬町横瀬598 |
関連HP | 西善寺公式ホームページ |
電車・バスで | 西武鉄道横瀬駅から徒歩25分 |
ドライブで | 関越自動車道花園ICから約28km |
駐車場 | 15台/無料、紅葉期には臨時駐車場を開設 |
問い合わせ | 西善寺 TEL:0494-23-3413/FAX:0494-23-3420 |
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