埼玉県狭山市にある埼玉県営の公園が狭山稲荷山公園(埼玉県営狭山稲荷山公園)。昭和48年に米軍から返還されたジョンソン空軍基地内の公園(Hyde Park・ハイドパーク)を市営公園に再生、平成14年4月1日から県営公園として開園したもの。バーベキューガーデン(3月中旬~11月中旬営業)もあって人気です。
広い芝生は、米軍基地内の公園だった名残り
もともと米軍基地内に住む住民向けに、アメリカ人の主導によって築かれたため、芝生の広がるアメリカ的な雰囲気になっています(狭山稲荷山公園内の旧米軍家族用住宅は平成13年にすべて撤去されています)。
西武池袋線稲荷山公園駅の駅前にあるため、アプローチも便利で、毎年4月にはソメイヨシノや八重桜など、約300本の桜が見頃を迎え、花見客で賑わいをみせます。
幼児用の遊具が置かれるコバトン広場、健康遊具が7基配された健康遊具広場も、全長1200mのジョギング・ウォーキングコースも用意され、運動不足の解消にももってこい。
ペットの入園は、必ずリードを付ける必要があり(埼玉県の動物愛護及び管理に関する条例で「犬を制御できる人が、綱もしくは鎖等で確実に保持しなければならない」と定められています)、ジョギング・ウォーキングコースにはペット同伴で立ち入ることはできません。
南側の駐車場横には「入間川と入間路-その自然と風土-」を基本テーマで常設展示が行なわれる狭山市立博物館が隣接し、公園を見渡す「稲荷山カフェ コメと茶」も博物館の開館日に合わせて営業。
ジョンソン空軍基地のハイドパークが前身
もともとは、昭和13年に陸軍の航空士官学校が開設された場所で、昭和14年の卒業式からは、天皇も行幸しています(お召し列車で武蔵高萩駅=現・日高駅まで、そこから御料車で航空士官学校へ)。
終戦後に進駐したアメリカ軍が35.3ha(入間川町21ha、入間村14.3ha)を接習。
その直後に殉職した第49戦闘群のパイロット、ジェラルド・R・ジョンソン陸軍中佐(第二次世界大戦で22機を撃墜した「ジャングル・エース」)を偲んでジョンソン空軍基地と名付けています。
昭和48年にジョンソン空軍基地の公園とその周辺部分が返還されたので、それをそのまま公園に転用したのが狭山稲荷山公園の始まりで、当初は市営公園でした(ジョンソン空軍基地は、昭和53年9月に全面返還、現・航空自衛隊入間基地)。
米軍が接収した時代には芝生の公園の周辺にはハウスと呼ばれる米軍関係者の住宅が建ち並んでいました(昭和25年10月の調査ではハイドパークに399戸の米軍家族用住宅を日本政府が建設)。
日本に返還された直後の旧米軍家族用住宅(アメリカ村と通称)には、全国から若者が集まりましたが、そのなかには細野晴臣(ほそのはるおみ)、小坂忠(こさかちゅう)らが活躍し、昭和48年5月25日発売の『HOSONO HOUSE』は、日本で最初のハウスレコーディングになっています(平成17年に狭山稲荷山公園で行なわれた『ハイドパーク・ミュージック・フェスティバル』では細野晴臣が『HOSONO HOUSE』を披露)。
狭山稲荷山公園 | |
名称 | 狭山稲荷山公園/さやまいなりやまこうえん |
所在地 | 埼玉県狭山市稲荷山1-23-1 |
関連HP | 狭山稲荷山公園 |
電車・バスで | 西武稲荷山公園駅からすぐ |
ドライブで | 圏央道狭山日高ICから約4km |
駐車場 | 101台/無料 |
問い合わせ | 狭山稲荷山公園管理事務所 TEL:04-2955-3228/FAX:04-2953-8053 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
最新情報をお届けします
Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!
Follow @tabi_mag