鉄道博物館・ナデ6110形式6141号電車

鉄道博物館・ナデ6110形式6141号電車

埼玉県さいたま市大宮区、ニューシャトル鉄道博物館駅近くに建つのが、「てっぱく」の愛称で呼ばれる鉄道博物館。国の重要文化財・鉄道記念物となっているのがナデ6110形式6141号電車。大正3年3月31日、鉄道院新橋工場で完成した木造ボギー電車で、現存する最古のボギー車です。

現存する最古のボギー車は、国の重要文化財に指定

鉄道院最初のボギー電車(車体の前後に2軸の台車を装着した車両)として明治42年に製造されたホデ6100形式の改良タイプ(全長16m、座席48人、吊手44人で、定員92名)で、ボギー電車としては現存する最古の車両です。

明治時代の後半から大正時代には私鉄の買上げなどで、鉄道の国有化が進みましたが(大正8年末に国有鉄道の総営業キロは、9982kmに)、都市近郊における鉄道輸送の需要増大に対応するため、鉄道院で初の3扉車として開発されたもの。
複数の車両を連結しても、その制御装置を運転士が総括制御できる装置を備え、その後の国鉄・JR電車(通勤型車両)の原型となった貴重な車両です。
大正8年、国有鉄道の全車両に空気ブレーキを採用、大正14年には世界の注目を浴びた自動連結器の取替など、鉄道の近代化も進んでいました。

ナデ6110形式6141号電車は、中央本線や山手線の電車区間で使用された後、大正14年に目黒蒲田電鉄(現・東京急行電鉄)に譲渡されてモハ41(40形)となった後、昭和5年3月に芝浦製作所に譲渡、工場の牽引車に。
さらに昭和5年末には鶴見臨港鉄道(初代社長は浅野総一郎)に渡ってモハ202(200形)に、昭和15年にモハ142に改番(140形)された後、昭和18年7月1日、鶴見臨港鉄道が国有化で鶴見線になり、モハ142として国鉄保有に。
昭和25年7月30日、日立電鉄(平成21年に解散)に譲渡されて、モハ101 (モハ101形)に、さらに昭和39年12月23日、電動貨車化され、デワ101 に改番。
昭和47年に国鉄に返還され、国鉄大井工場で復元・整備されて鉄道記念物に、昭和62年8月、パンタグラフを併設し動態化、大井工場構内で走行しています。
平成19年10月14日、鉄道博物館に移設され、展示され、平成29年9月15日に国の重要文化財に指定されています。


鉄道博物館に保存される車両で、国の重要文化財に指定されるのは、1号機関車(150形式)、1号御料車(初代)とナデ6110形式6141号電車の3両。
加えて鉄道古文書(明治時代の鉄道創業期の鉄道建設・運営に関わる公文書群)が国の重要文化財に指定されています。

鉄道博物館・ナデ6110形式6141号電車
名称 鉄道博物館・ナデ6110形式6141号電車/てつどうはくぶつかん・なで6110けいしき6141ごうでんしゃ
所在地 埼玉県さいたま市大宮区大成町3-47
関連HP 鉄道博物館公式ホームページ
電車・バスで ニューシャトル(埼玉新都市交通)鉄道博物館駅から徒歩1分
ドライブで 首都高速埼玉新都心線新都心西口から約4km
駐車場 291台/有料
問い合わせ 鉄道博物館 TEL:048-651-0088
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
鉄道博物館

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