三井寺(園城寺)の唐院は、868(貞観10)年に朝廷から下賜された仁寿殿を移築し、入唐八家のひとり、円珍(智証大師/ちしょうだいし)が唐よりもたらした経巻や法具類をおさめ、伝法灌頂の道場としたのが始まり。唐門とその奥にある大師堂は江戸時代初め慶長年間の再建でともに国の重要文化財です。
大師堂には国宝の智証大師像、重文の黄不動像を安置
豊臣秀吉が三井寺(園城寺)の堂宇を破却した後、遺言で再建を北政所や家康に託します。
その後、再建された三井寺では、南北に続く金堂正面の参道から西に入ったところに唐院を配し、大師堂、唐門、灌頂堂を直線的に配置しました。
大師堂には、2躯の智証大師像(中尊大師・御骨大師/いずれも国宝)と黄不動尊立像(国の重要文化財)の合計3躯が安置されています。
黄不動(きふどう)は、全身が黄色の不動明王立像の仏画で、日本三不動の一つ(赤不動=和歌山・高野山明王院蔵『絹本着色不動明王二童子像』/国の重要文化財、青不動=京都・青蓮院蔵『絹本着色不動明王二童子像』/国宝)。
円珍は、比叡山や渡唐上でこの黄不動に再三感得し、身の危険を救われたとされています。
円珍が感得した像を描いたもので天台宗寺門派最高の厳儀とされる伝法灌頂の受者しか拝することが許されない秘仏となっています。
その黄不動尊画像(国宝)をもとに模刻した彫像が大師堂に安置され、智証大師像2躯とともに秘仏となっています。
三井寺唐院 唐門・大師堂 | |
名称 | 三井寺唐院 唐門・大師堂/みいでらとういん からもん・だいしどう |
所在地 | 滋賀県大津市園城寺町246 |
関連HP | 三井寺公式ホームページ |
電車・バスで | 京阪石山坂本線三井寺駅から徒歩12分 |
ドライブで | 名神高速道路大津ICから約3.5km |
駐車場 | 園城寺駐車場(350台/有料) |
問い合わせ | 三井寺(園城寺) TEL:077-522-2238 |
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