標高1377.4mの伊吹山は滋賀県の最高峰で日本百名山の一つ。『古事記』に伊服岐能山(いふきのやま)、『日本書紀』に胆吹山と記され、奈良時代にはすでに修験の霊場となっていたことが推定されます。山上へ伊吹山ドライブウェイが通じ、終点の山頂駐車場(スカイテラス)から最短コース(階段状の中央登山道)利用なら徒歩20分で山頂。
奈良時代から知られる湖国・近江の名峰
伊吹艾(いぶきもぐさ)をはじめ古来から薬草の地としても有名で、和泉式部(いずみしきぶ)は、「けふも又かくや伊吹のさしも草されば我がみもえや渡ちむ」(『新古今集』)と詠んでいます。
織田信長がポルトガル人宣教師を招いて山麓に薬草園を開いたことでも有名で、今も入浴剤などに薬草が使われています。
山頂には日本武尊(やまとたける)像が立っていますが、これは日本武尊が伊吹山の山神を鎮定しようしたところ山の荒神の化身である白猪に会い、傷を負わされ、山麓の「居醒の清水」で治癒したという伝説によるもの。
これは『日本書紀』や『古事記』もに記された故事。
また、山頂には山岳修験の歴史を今に伝える伊吹山寺山頂本堂も建っています。
また、「対山館」など宿泊可能(毛布貸出の仮眠スタイル)な山小屋も4軒が営業。
食事なども可能です。
山頂一帯は冬の豪雪を反映して、夏は草原状のお花畑に
山頂からは、琵琶湖や比良、比叡の山々、日本アルプスや伊勢湾が一望のもと。
伊吹山は、日本海からの吹き出しを受けることから日本有数の豪雪地で、標高はさほどではありませんが山頂には国の天然記念物に指定されるお花畑が広がっています。
イブキの名を冠した固有種が多いことでも知られるが典型的な石灰岩地帯で、好石灰植物などが多いことも影響。
大正8年〜平成元年まで有人測候所として観測を続けた伊吹山測候所は、昭和2年2月14日に11m82cmという積雪の世界記録を観測しています。
琵琶湖周辺には古代の製鉄遺跡が70ヶ所も確認されていますが、伊吹という地名も炉に風を送り込むことに由来している可能性が大。
伊吹山の麓、岐阜県垂井町伊吹にある伊富岐神社(いぶきじんじゃ)の縁起には、「伊福部宿禰、尾張連同祖、火明命之後也」とありますし、垂井町宮代の南宮大社は、製鉄など金属精錬の神様を祀る古社です。
伊吹山 | |
名称 | 伊吹山/いぶきやま |
所在地 | 滋賀県米原市上野 |
関連HP | 長浜観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR近江長岡駅から湖国バス伊吹登山口行きで15分、伊吹登山口下車、徒歩10分 |
ドライブで | 名神高速道路関ヶ原ICから約19km |
駐車場 | 山頂駐車場(600台/無料) |
問い合わせ | 米原観光協会 TEL:0749-58-2227/FAX:0749-58-1197 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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