滋賀県甲賀市信楽町(しがらきちょう)にそびえる飯道山(標高664.2m)の山上にある奈良時代創建の古社、飯道神社(はんどうじんじゃ)。古来から山岳信仰の対象となった山で、近世までは、飯道権現が祀られていました。山頂からは紫香楽宮(しがらきみや)の中心である宮町遺跡を一望にします。
江戸時代初期に再建された本殿は国の重要文化財
紫香楽宮の造営、奈良東大寺大仏殿の建築に際し、その建材を信楽の山に求めたことから森を支配する神仏習合の神として飯道権現が祀られたもの。
平安時代から神仏習合、修験道(しゅげんどう)の霊山として大いに栄え、近畿では熊野、大峰山と並ぶ修験道の行場として発展。
室町時代の初期には5院36坊を数えて繁栄し、戦国時代には甲賀忍者の修行の場となったと伝えられますが、幕末には僧坊2まで衰退。
明治初年の神仏分離、廃仏毀釈で、神社を管理する神宮寺である飯道寺が廃寺となり、飯道神社だけが残されています。
現存する本殿は、江戸時代初期の慶安3年(1650年)の再建。
豪華な桃山様式の建築美を備え、国の重要文化財に指定されています。
織田信長も飯道寺に立ち寄り宿泊したことが『信長公記』(しんちょうこうき)に記されています。
また密教の布教のために全国を自由に往来した修験者と、戦国大名の情報収集の要望が結びつき「伊賀忍者」の誕生となったという説もあり、飯道山には、そんな山岳修験の行場が残されています。
また東近江市の百済寺(百済寺城)同様に飯道山遺跡と呼ばれる石垣を多用した城塞化した坊跡群にも注目を。
甲賀郡随一の規模を誇る天台寺院としての名残りで、栗東市にある金勝寺と勢力争いで戦火を交えたこともあります。
飯道神社 | |
名称 | 飯道神社/はんどうじんじゃ |
所在地 | 滋賀県甲賀市信楽町宮町1 |
関連HP | 甲賀市公式ホームページ |
電車・バスで | 信楽鉄道紫香楽宮跡駅からタクシーで15分 |
ドライブで | 新名神高速道路信楽ICから約7km |
駐車場 | 5台/無料 |
問い合わせ | 甲賀市観光協会 TEL:0748-60-2690 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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