滋賀県高島市今津町の銀行建築をミュージアムに再生したのが今津ヴォーリズ資料館(旧百三十三銀行今津支店)。彦根に本社があった百三十三銀行(正しい表記は百卅三銀行/現・滋賀銀行)今津支店として大正12年に建てられあもので、設計はヴォーリズで、国の登録有形文化財に指定。館内でカフェも営業。
ヴォーリズ設計の貴重な銀行建築
鉄筋コンクリート造り、2階建て、壁面をレンガ積みにし、外観は石積み風の西洋古典様式を継承した意匠でまとめられた銀行建築で、設計はウィリアム・メレル・ヴォーリズ(William Merrell Vories)。
昭和8年に百三十三銀行が八幡銀行と合併して滋賀銀行が設立されると、滋賀銀行今津支店となり、その後、昭和53年に移転するまで現役の銀行として使われていました。
その後、当時の今津町が購入して昭和54年〜平成13年の間は、大幅な改修が施されて、今津町立図書館として運用。
平成15年4月、ほぼ建設当初の姿に復原され、今津ヴォーリズ資料館として公開されています。
明治38年、滋賀県立商業学校(現滋賀県立八幡商業高等学校)の英語教師として来日したウィリアム・メレル・ヴォーリズは、村田幸一郎、吉田悦蔵らとともに近江八幡にヴォーリズ合名会社(のちの近江兄弟社)創立し、メンソレータムを普及させた実業家ですが、同時に建築家でもあり、自身も伝道に従事した日本基督教団の教会、学校建築、そして滋賀県内では郵便局など数多くの建築物の設計を行なっています。
今津ヴォーリズ資料館(旧百三十三銀行今津支店)は、ヴォーリズが設計した日本基督教団今津教会(旧今津基督教会館/昭和9年築)、旧今津郵便局(昭和11年築)と同じ、ヴォーリズ通りに面して建ち、3軒を見学すれば(今津教会は外観のみ見学可能)、琵琶湖の舟運で発展した今津の歴史を垣間見ることができます。
滋賀県内にあるヴォーリズ設計の銀行建築は、旧寺庄銀行本店(旧滋賀銀行甲南支店/甲賀市/大正14年築、国の登録有形文化財)と今津ヴォーリズ資料館(旧百三十三銀行今津支店)の2ヶ所、全国的にもこの2軒のみで、貴重な銀行建築といえるでしょう(教会建築や個人宅は多数現存しています)。
今津ヴォーリズ資料館(旧百三十三銀行今津支店) | |
名称 | 今津ヴォーリズ資料館(旧百三十三銀行今津支店)/いまづゔぉーりずしりょうかn(きゅうひゃくさんじゅうさんぎんこういまづしてん) |
所在地 | 滋賀県高島市今津町今津175 |
関連HP | 高島市公式ホームページ |
電車・バスで | JR近江今津駅から徒歩10分 |
ドライブで | 湖西道路真野ICから約35km |
駐車場 | 5台/無料 |
問い合わせ | 今津ヴォーリズ資料館 TEL:0740-22-0981 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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