雪野山古墳

雪野山古墳

滋賀県東近江市、近江八幡市、蒲生郡竜王町の境、湖東平野の独立山塊・雪野山(308.8m)の山上に築かれた古墳が、雪野山古墳。流紋岩で形成される雪野山の山頂部で、平成元年9月に未盗掘の竪穴式石室が発見され、古墳時代前期(4世紀前半)の古墳であることが判明して国の史跡になっています。

初期ヤマト王権の時代、湖東を掌握した王が眠る墓

全長70mの前方後円墳で、墳丘は2段築成で,墳丘の一部には葺石が確認されています。
2基ある埋葬施設のうち、東側の竪穴式石室(全長6.1m、幅1.5m、高さ1.6m)のみ発掘調査が行なわれ、舟形木棺(ふながたもっかん)の断片と副葬品が見つかっています。

副葬品は、内行花文鏡、中国鏡の文様を模倣して作られた鼉龍鏡(だりゅうきょう)、三角縁波文帯盤龍鏡、三角縁唐草文帯四神四獣鏡、亲出銘三角縁四神四獣鏡の銅鏡5面、漆製品34点、銅鏃(どうぞく)96本、碧玉製(へきぎょくせい)石製品5点、ガラス小玉2箇、鉄製品75点が出土し、国の重要文化財に指定されています。

銅鏡5面は被葬者の頭部に3面、足元に2面置かれていましたが、光を反射する鏡を置いて、邪気を払ったのだと推測できます。
古墳時代前期前半における古墳の副葬品目をほぼ網羅していることから、当時の葬送儀礼を復元することのできる貴重な事例となっています。

雪野山古墳周辺には八幡社古墳群(古墳時代後期/東近江市)、木村古墳群(あかね古墳公園/滋賀県下では最大規模の古墳時代中期の古墳群/東近江市)、東苗村古墳群(古墳時代後期/竜王町)、綾戸遺跡(弥生時代の拠点集落/竜王町)など200基以上の古墳が築かれた古墳密集地帯です。

なかでも周囲を一望にする雪野山の山頂に築かれた雪野山古墳は、ヤマト王権(初期王権)では行燈山古墳(あんどんやまこふん=第10代崇神天皇の陵と宮内庁は治定/奈良県天理市)が築かれた時代、琵琶湖の舟運を掌握した湖東の王(首長)の墳墓として築かれたものだと推測できます。

雪野山古墳
三角縁唐草文帯四神四獣鏡
雪野山古墳
名称 雪野山古墳/ゆきのやまこふん
所在地 滋賀県東近江市上羽田町
関連HP 東近江市公式ホームページ
電車・バスで JR近江八幡駅から近江鉄道バスで12分、羽田西下車、徒歩15分で雪野山歴史公園
ドライブで 名神高速道路蒲生スマートICから約2kmで雪野山歴史公園駐車場、駐車場から徒歩30分
駐車場 雪野山歴史公園駐車場を利用
問い合わせ 東近江市埋蔵文化財センター TEL:0748-42-5011
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
久保田山古墳(あかね古墳公園)

久保田山古墳(あかね古墳公園)

滋賀県東近江市川合町、名神高速道路・蒲生スマートICの東にあるのが、久保田山古墳。周辺は、あかね古墳公園(悠久の丘蒲生あかね古墳公園)として整備され、木村古墳群を構成する円墳の久保田山古墳と方墳・天乞山古墳が保存整備されています。久保田山古

 

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