酒粕を使った料理はポピュラーですが、ニッポン旅マガジン取材班は、それでは満足しません。
蓮田市の神亀酒造の酒粕は、神亀酒造の前にある酒屋さん小川原商事で購入したのですが、実はこの店、神亀酒造の直営。
まずは「プレミアム練り粕」を入手
ひとまず、自慢の酒粕を手に入れたのですが、酒粕に魚や野菜を漬けて、自家製の粕漬けをつくりたい旨を伝えると、店奥の冷蔵庫から、「これをお使いなさい」と出してもらったのが、「練り粕」。
「練り粕」とは、絞りたての板粕をじっくりと寝かせて熟成・糖化させたもの。
神亀酒造の酒粕はそれ自体で「プレミアム酒粕」なのですが、
「練り粕はタンクで2〜3年寝かしたものなんです。1kg300円でお分けしてます」
とのこと。
プレミアム酒粕を究極まで熟成=「神亀酒造の練り粕」というわけなのです。
「手元にないこともあるので、どうしても手に入れたいときは電話で事前に予約しておいてくださいね」
つまり、在庫が切れるとタンクに行って袋詰めするとのこと。これも驚きです。
実際に魚を漬け込んでみる
さてさて、ウルトラの付く「プレミアム練り粕」を手に入れたら、早速料理に使いましょう。
店の人の話では、
「魚なんかの粕漬け、あるいは奈良漬けなんかに使うのが一般的ですね」
とのことなので、まずは魚の漬け込みにトライ。
「塩気のある魚ならなんでもいい」
というので、羅臼の宿まるみから入手した「プレミアム塩鮭」を使って、粕漬けを。
なんせ、世界自然遺産の海域の定置網で揚がる鮭ですから、浜値も脂ののりも日本一。
「プレミアム塩鮭」×「プレミアム練り粕」=究極の粕漬け!
とまあ、単純な図式が成り立ちます。
それでは、「ニッポン旅マガジン発酵女子チーム」の威信にかけて、
究極の粕漬け!を始めます。
と、大見得を切ったものの、作り方は簡単。
市販のストックバッグ(ジップロック的なもの)に「プレミアム塩鮭」の切り身を入れ、そこに「プレミアム練り粕」を適量入れるだけ。
「プレミアム練り粕」は色こそ黄色っぽいものの、ヨーグルト状だから、切り身に簡単になじみます。
いよいよ実食!
漬け込むこと数日。
「食べたいときに食べられるし便利」
「おかずが足りないときに冷蔵庫から出して焼くだけ」
と、使い勝手も超最高!
いよいよ、実食。
その前に、ざっと周りの余分な粕を取ってから、魚焼きのガスロースターへ。
完成品が、下の写真。
反省としては、弱火でやっても結構焦げちゃったことくらい。
味は想像以上、めちゃ美味しい。
究極の練り粕&「プレミアム酒粕」の購入先
【小川原商事】
〒349-0114 埼玉県蓮田市馬込3-64
TEL048-768-7115
【神亀酒造ひとくちメモ】
神亀酒造の初代・永井清右衛門は、越後国東頸城郡浦川原村(現在の新潟県上越市浦川原区)の出身。
天保年間(1830年〜1844年)に相模国大住郡田中村(神奈川県伊勢原市田中)で酒造りを始めますが、あいにくの火事で蔵を焼失。
1848(嘉永元)年、清右衛門は、一念発起して埼玉郡岩槻領馬込村(現・蓮田市馬込)で酒造りを始め、清酒「神亀」を世に出しています。
綾瀬川と元荒川が近づく場所という意味で、明治22年に河合村が誕生していますが、一帯に酒造りに最適な伏流水が流れていることは明らかですね。
屋号は伊勢屋本店(小川原醸造所)。永井家が伊勢平氏出身だったのでその名がついたのだとか。
漫画『夏子の酒』にも登場する「全量純米蔵を目指す」こだわりの酒蔵で、「神亀教」と呼ばれる多数のファンがいます。
ちなみに神亀という銘柄は、蔵の裏手にあった池に、天神様の化身の亀が棲んでいたという伝承があったからとか。
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