練り粕という言葉をご存知でしょうか。酒蔵で酒造りの季節に必ず生まれる酒粕ですが、それを加温熟成させたのが、練り粕。なかには2年、3年と熟成させるこだわりの酒蔵もあり、まさにプレミアム練り粕ということに。その練り粕を使えば、家庭でも簡単に『究極の粕漬け』を作ることができます。
まずは「練り粕」、熟成の「プレミアム練り粕」を入手
取材班がとある酒蔵を取材した際に、酒蔵自慢の純米酒の酒粕を購入しようとしたのですが、「酒粕に魚や野菜を漬けて、自家製の粕漬けをつくりたい」旨を伝えると、店奥の冷蔵庫から、「これをお使いなさい」と出してもらったのが、「プレミアム練り粕」。
「練り粕」とは、絞りたての板粕をじっくりと寝かせて熟成・糖化させたもの。
そうすることで熟成が進み、旨味成分が増えるのだとか。
鍋物や味噌汁にするには酒粕、板粕でも十分ですが、練り粕は、風味もまろやかで、しかも香りが豊かさなので、魚や肉、野菜の漬け床には最適ということに。
練り粕で魚を漬け込むと、ふんわりとした食感と酒粕の甘さが引き立つというので、チャレンジしないわけにはいきません。
松井酒造(京都府京都市)、八海醸造(新潟県南魚沼市)、武重本家酒造(長野県佐久市)など各地の酒蔵で練り粕は販売されていますが、すぐに売り切れてしまうので、まずは手に入れることが大前提となります(ネット販売も行なわれています)。
松井酒造の練り粕は5年寝かした、まさにウルトラの付く「プレミアム練り粕」なので、新酒の時期となったならぜひ問い合わせを。
YAHOO!ショッピングや、楽天市場でも「練り粕」と検索をかけると、いろいろな商品が出てきます。
実際に魚を漬け込んでみる
さてさて、「練り粕」、「プレミアム練り粕」を手に入れたら、早速料理に使いましょう。
取材先の酒蔵の話では、
「魚なんかの粕漬け、あるいは奈良漬けなんかに使うのが一般的ですね」
とのことなので、まずは魚の漬け込みにトライ。
「塩気のある魚ならなんでもいい」
というので、北海道の知床・羅臼町から入手した「プレミアム塩鮭」を使って、粕漬けを。
なんせ、世界自然遺産の海域の定置網で揚がる鮭ですから、浜値も脂ののりも日本一。
「プレミアム塩鮭」×「プレミアム練り粕」=究極の粕漬け!
とまあ、単純な図式が成り立ちます。
と、大見得を切ったものの、作り方は簡単。
市販のストックバッグ(ジップロック的なもの)に「プレミアム塩鮭」の切り身を入れ(もちろん、スーパーで購入した魚の切り身でOKです)、そこに「プレミアム練り粕」(もしくは「練り粕」)を適量入れるだけ。
「プレミアム練り粕」は色こそ黄色っぽいものの、ヨーグルト状なので、切り身に簡単になじみます。
いよいよ実食!
漬け込むこと数日。
「食べたいときに食べられるし便利」
「おかずが足りないときに冷蔵庫から出して焼くだけ」
と、使い勝手も最高です。
いよいよ、実食ですが、その前に、ざっと周りの余分な粕を取ってから、魚焼きのガスロースターへ。
完成品が、下の写真。
反省としては、弱火でやっても結構焦げちゃったことくらい。
味は想像以上で、とびきりの美味しさです。
余談ですが、酒蔵でもし粕漬けを見つけたら、「買い!」です。
なぜなら、自前の酒粕を使って、達人が漬けているのですから。
信州などでは、この自家製粕漬けを販売する酒蔵もありますが、全国的には意外に少ない感じです。
練り粕を使って『究極の粕漬け』をつくる! | |
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