世界遺産・知床羅臼に「白夜」はある!?

かつて加藤登紀子さんが歌い知床ブームを呼ぶほどのヒット曲となった『知床旅情』。
(そんな曲知らないという若い人は、知床に旅立つ前にぜひYouTubeでチェックしてみて下さい)
その歌詞のなかに、「はるかクナシリに白夜は明ける」(歌詞は元歌『さらばラウスよ』/作詞・作曲の森繁久彌さん直筆の歌詞より引用)という歌詞があります。

はるかクナシリに白夜は明ける

この元歌『さらばラウスよ』は、森繁久彌さんが映画『地の涯に生きるもの』のロケの最終日にお世話になった羅臼の人々のためにつくられた名曲。羅臼の人達と飲んで騒いでいると、いつの間にか夜中に。丘に上ってみると、国後島の方の空が白々としている。そんな夏の羅臼の夜明を歌ったものです。

実際、下の表を見ていただくとわかるのですが、平成27年の夏至(6月21日)の羅臼の日の出は3:36。関西より1時間以上、九州に比べると1時間30分以上も早い日の出だということがわかります。

しかも6月から7月なら日の出はほとんどが午前3時代。夕方7時過ぎに日が沈み、飲んで騒いでいると、「まだ3時なのに夜が明けてきた!」といった感じだったのでしょう。

夜更かしして話をしていると・・・、外はもう明るかったー取材スタッフも羅臼の宿で実感したことがあります。

知床・羅臼では国後島から日が上る

世界遺産・知床羅臼では日の出は国後島から上がります。
「お日様が上がった直後に、光が帯となって根室海峡を照らすのも、ぜひ見てもらいたい」とは、羅臼の宿まるみのご主人・湊謙一さんの話。
夕日の美しさで知られるウトロですが、羅臼の日の出はまだまだあまり知られていません。
世界遺産知床を目ざすなら、ぜひ羅臼に泊まって国後島を赤く染める日の出をぜひ拝んで頂きたいと思います。さらに3時に起きて、「疑似白夜体験」をぜひぜひ!

余談ですが、白夜(びゃくや)の以前の読み方は「はくや」(もともとは「はくや」が正しい読み方)。『知床旅情』の歌の影響もあって多くの日本人は「びゃくや」と読むようになりました。NHKも昭和55年の調査で9割が「びゃくや」と読むことが判明したことにより、以降はアナウンサーも「びゃくや」と読んでいます(場合により「はくや」と読んでもよいことに)。『知床旅情』の影響がこんなところにもの話でした。

夏の知床羅臼は3時過ぎには明るい

羅臼日の出羅臼日没東京出東京入大阪出大阪入福岡出福岡入
5/14:1118:214:4918:275:0818:425:3019:01
6/13:3918:544:2718:514:4619:065:0919:23
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