一畑薬師

島根半島の中心部、標高300mの一畑山の山上に建つ名刹、総本山一畑寺(いちばたじ)。一般的には一畑薬師(いちばたやくし)の名で、「目のお薬師様」として知られています。894(寛平6)年、一畑山の麓、赤浦海中から漁師・与市(よいち)が薬師如来を引き上げ祀ったところ、盲目の母親の目が開いたのが起源とされる古刹です。

眼病治癒にご利益大といわれる古寺

一畑薬師

寺はもともと海中から引き上げた薬師如来像を本尊とする医王寺という天台宗寺院でしたが、1325(正中2)年、臨済宗となり成徳寺と改称。
さらに1653(応正2)年に一畑寺と改められました。
一畑寺が正式名ですが、目の薬師として名高く、「一畑薬師」として有名。

子供の無事成長を願う「二歳児まいり」の寺としても知られ、全国から参拝者が訪れています。
とくにゴールデンウィーク中は、『二歳児まつり 四歳児お礼まいり』が行なわれ大賑わい。

境内から宍道湖を眼下に、東に大山、西に三瓶山に望む、中国山地の山並みを借景にした庭園も実に見事。
寺に湧き出る水で煎じた御茶湯は眼病に効くといわれています。
中国観音霊場第26番札所。

水木しげるの自伝的エッセイ『のんのんばあとオレ』のなかに、「のんのんばあ」(お手伝いに来ていた景山ふささん)が一畑寺に参詣するエピソードがあり、境内には「のんのんばあとしげる少年」と『ゲゲゲの鬼太郎』の「目玉のおやじ」の像が建立されています。

本堂で行なわれる7:30の「朝のおつとめ」、16:30の「晩のおつとめ」は誰でも参加することができます(貸し出し経本、点字経本を用意)。
また毎月8日は薬師如来の縁日で「ようかさん」と呼ばれ、本堂で11:00〜12:30の間、特別法要が行なわれています。

境内には宿坊的にも利用できるお洒落な「一畑山コテージ」も用意されているので、参詣を考えている人は要チェックです。

一畑薬師
一畑薬師

一畑薬師(総本山一畑寺)のおもな年中行事

1月8日/初薬師・開運星まつり=毎月8日は薬師如来の縁日ですが、1年最初の縁日が初藥師。前年の諸悪を正し、新しい年の開運吉祥を修める行事。祈祷受付は前年12月25日に締め切り。
2月8日/開基会=赤浦から薬師如来像をすくい上げた漁師の与市(補然和尚)を追善する供養で、例月祭「ようかさん」にあわせて開催。
2月15日/涅槃の日=2月1日~2月15日、本堂で「涅槃図」(釈迦の入滅の図)公開。
3月8日/人形供養=人形を持参すると、この日に供養してもらえます(供養料は人形の大きさによって変動)。
4月8日/花まつり=お釈迦様ご降誕(ごうたん)の日の祝い。花御堂に祀られた誕生仏に甘茶をかけます。
ゴールデンウィーク/二歳児まいり四歳児お礼まいり=生まれた翌年(数え年2歳)でお詣りし、無事成長と無病を祈願。数え年4歳で、成長のお礼にお参りします。
ゴールデンウィーク/十三まいり=身心が大人にさしかかる13歳の厄難を払い、智恵を授けていただけるように薬師如来に祈願します。
6月8日/八万四千仏供養祭=11:00〜八万四千仏堂の諸堂を巡拝し、年一回の大供養を執り行ないます。
8月8日/盆供養祭(山門大施餓鬼会)=11:00〜例月祭「ようかさん」(薬師堂)、11:40〜観音堂で「山門大施餓鬼会」(さんもんだいせがきえ)。当日でも先祖供養の申し込みが可能。
9月8日/絵馬供養祭=例月祭「ようかさん」にあわせて古い絵馬を焚き上げて供養。
10月最終日曜/一畑薬師マラソン大会=マラソンの部(5km、10km)、ウォーキングの部(5km)を用意。9月上旬頃までに事前申込みが必要。
11月8日/眼鏡供養祭=不要になった眼鏡を供養。リサイクルされてインドの恵まれない人々に寄贈。
12月8日/古札供養祭=例月祭「ようかさん」にあわせて納められたお札、お守りを供養。
12月31日/除夜・万灯祭=除夜の鐘は参詣者が撞くことが可能。先着108人には「除夜の鐘の証」が授与されます。

一畑薬師
名称 一畑薬師/いちばたやくし
Ichibatayakusi(Ichibataji Temple)
所在地 島根県出雲市小境町803
関連HP 一畑薬師公式ホームページ
電車・バスで 一畑電鉄一畑口駅から平田生活バス一畑薬師行きで11分、終点下車
ドライブで 山陰自動車道宍道ICから約17km
駐車場 130台/無料
問い合わせ 一畑薬師 TEL:0853-67-0111/FAX:0853-67-0115
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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