神原神社古墳

神原神社古墳

島根県雲南市加茂町にある神原神社(かんばらじんじゃ)境内にある古墳が、神原神社古墳。一辺30m~35m、高さ5mほどの方墳だったと推測されていますが、昭和47年、卑弥呼が魏に使者を派遣した「景初三年」(239年)の銘を有する三角縁神獣鏡(さんかくぶちしんじゅうきょう)が出土して一躍注目を浴びました。

出雲地方に現れた初期の大型古墳から三角縁神獣鏡が出土!

神原神社古墳
神原神社

『魏志倭人伝』には、景初3年、邪馬台国の卑弥呼が魏の明帝(めいてい)に使いを送り、魏から見返りに「親魏倭王」(しんぎわおう)の地位、そして銅鏡100枚などを授かったことが記されています。
出土した三角縁神獣鏡は、そのうちの1枚かもしれませんが、国内には「景初四年」という銘の入った銅鏡も出土していることから、実はすべて国産ではないかという説もあります。
この鏡、中国で1枚も出土していないので、呉(ご)の技術者が日本に渡り、邪馬台国のために鋳造したともいわれているのです。

この三角縁神獣鏡は国の重要文化財に指定され、島根県立古代出雲歴史博物館に収蔵展示されています。
三角縁神獣鏡が出土するのは、瀬戸内山陽、九州、出雲の順で多いことから、ヤマト王権の統一過程で、まず魏から下賜された中国製の三角縁神獣鏡が服属関係を結んだ各地の豪族に配布されたとも推測でき、ヤマト王権と出雲の関係性をも考える上で、貴重な資料となっているのです。

古墳は、昭和47年、横を流れる赤川の河川改修で、南側50mほどに移築され、その際の発掘調査で竪穴式石室から副葬品として銅鏡が出土しています。
古墳が築かれたのは4世紀なので、銅鏡がつくられた1世紀以上後ということに。

被葬者に関しても、ヤマト王権と密接な関係を有した土地の豪族、あるいはヤマト王権から派遣された人物なのか、定かでありません。

神原神社古墳
出土した三角縁神獣鏡
神原神社古墳
名称 神原神社古墳/かんばらじんじゃこふん
所在地 島根県雲南市加茂町神原1436-1
関連HP 雲南市公式ホームページ
電車・バスで JR加茂中駅から徒歩25分
ドライブで 松江自動車道三刀屋木次ICから約8km
駐車場 あり/無料
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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