関東エリアで乗車している際に、突然、進行方向が変わるのは、私鉄のみですべて「折り返し型」。首都圏では京急蒲田駅がスイッチバック駅。西武鉄道も特急「ちちぶ」に乗車し、西武秩父を目指すと、飯能駅で方向が変わります。転換クロスシートなので、シートを転換させるのが原則ですが、変えない人も多数。
京急蒲田駅|京浜急行電鉄・空港線

横浜方面から羽田空港第1・第2ターミナル駅へ直通する空港線の電車は、スイッチバックして空港線に入ります。
そのため、京急蒲田駅では横浜方面からの空港線直通列車に限り、進行方向が変わることになります。
2100形の「ブルースカイトレイン&ラッピング電車」(羽田空港〜京急蒲田〜金沢文庫)など、クロスシート車両は、京急蒲田で向きが変わるので、本来なら乗客が一斉にシートの転換をする必要があります。
柏駅|東武鉄道・東武野田線

東武野田線で大宮方面から船橋方面へ直通する列車は、この柏駅でスイッチバックが必要です。
日中は急行が1時間に2本設定されていますが、すべてロングシート車両なので、あまり気になりません。
藤沢駅|小田急電鉄・小田急江ノ島線

小田急江ノ島線は藤沢駅でのスイッチバックが必要なため、ほとんどの列車が藤沢駅を始発終着としています。
その例外となるのが特急ロマンスカー「えのしま」で、実は藤沢駅でのシートの転換をしなくてもいいように、片瀬江ノ島駅始発の「えのしま」は、逆向きに座席がセットしてあります。
これは片瀬江ノ島駅〜藤沢駅の所要時間が6分ほとと短いための座席のセッティングです。
飯能駅|西武鉄道・西武秩父線

西武池袋線(池袋駅〜飯能駅)から西武秩父線に直通する特急「ちちぶ」などは、飯能駅でスイッチバックして西武秩父線に入るため、ここで方向転換します。
特急「ちちぶ」は、転換クロスシート車両の「ラビュー」(西武001系電車)なので、ここでシート転換が必要となります。
最近ではシートを転換させない人も数多く、後ろの人が転換しないとお見合い状態になってしまうことも。
転換させないと、飯能駅〜西武秩父駅、あるいは飯能駅〜池袋駅で後ろ向き状態で進むことに。
箱根登山電車|小田急箱根

箱根登山電車(小田急箱根)は箱根湯本〜強羅の高度差を、出山信号場、大平台駅、上大平台信号場と連続する3ヶ所のスイッチバックで克服しています。
並走する国道1号は、『箱根駅伝』往路5区の山登り区間。
駅伝の選手同様に、箱根登山電車も山登りをしますが、とくに大平台駅前後の標高差をスイッチバックで克服。
出山信号場と上大平台信号場は、ドアは開きませんが、脇の簡易ホームを慌ただしく運転手と車掌が通り抜ける姿を見ることができます。
この短い区間は、電車だけでなく運転手と車掌も体力を消耗することに(雨の日も雪の日もこの後退作業が行なわれます)。
富士山駅|富士山麓電気鉄道・富士急行線

現在の富士山駅は、昭和4年6月19日、富士吉田駅(平成23年7月1日、駅名を富士山駅に改称)として開業、昭和25年8月24日、高度差を克服して河口湖線がスイッチバックの線形で河口湖駅まで延伸したため、今もスイッチバックが残されています。
新宿駅から河口湖駅に直通する特急「富士回遊」も富士山駅でスイッチバックしています。
河口湖駅が始発の場合は、河口湖駅〜富士山駅の所要時間が短いため、座席は進行方向と逆向きにセットされているので、そのことを知らない乗客(訪日外国人も多数乗車)は少し驚くことに。
「進行方向が突然転換」スイッチバックする路線は関東で6ヶ所も! | |
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