静岡県御殿場市の駒門地区にある富士山の爆発によってできた本穴290m、枝穴118.2mの溶岩洞窟が駒門風穴(こまかどかざあな)。富士山麓では最大規模の溶岩洞窟で、国の天然記念物に指定されています。洞窟内部の気温は年間を通じて13度と一定で、夏は涼しく、冬は暖かいので見学にも最適。
三島溶岩流で誕生した巨大溶岩洞窟
洞窟内は照明も完備され、天井から垂れ下がった溶岩鍾乳洞や、「千畳敷」と呼ばれる高さ20mの広いホール、「コウモリ座敷」などの見どころポイントがよくわかります。
また、足元にも溶岩がゆるやかに流れ、冷却した原形がそのままに保たれています。
東名高速道路の駒門PAに車を置いて徒歩でアプローチすることも可能。
富士山北側の青木ヶ原溶岩流の樹海にある熔岩洞は、貞観6年(864年)、富士北西山腹からの噴火によって流出しら溶岩流で形成され、誕生後1000年程度しかたっていませんが、駒門風穴は約1万年前の爆発で流れ出た三島溶岩流(粘り気の少ない玄武岩溶岩)でできた溶岩洞窟。
黄瀬川と佐野川の合流地点に懸かる五竜の滝(静岡県裾野市)、黄瀬川に懸かる鮎壺の滝(沼津市・駿東郡長泉町)、柿田川湧水群(溶岩流の末端/清水町)を造り出した溶岩流です。
駒門風穴入口の脇に、富士山信仰の木花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと)を祀る子安神社のほか、風神社、蚕養神社(こがいじんじゃ) の3つの祠があり、安産、五穀豊穣、風・水・火の鎮めにご利益があるとされています。
ちなみに駒門風穴は、やはり国の天然記念物に指定される「印野の熔岩隧道(ようがんずいどう)」とともに世界文化遺産の構成資産候補となっていましたが、「富士山の信仰や芸術との関係性が証明できない」として除外されています。
御殿場は、富士山の信仰を広めた富士御師(ふじおし)や富士道者(ふじどうじゃ)と呼ばれた登山者が往来する地だったので、駒門風穴も富士山信仰と関係していたことが容易に推測できます。
洞内からは室町時代に修験者が奉納したと推測できる殿閣双雀鏡(でんかくそうじゃくきょう)が発見されています。
建久4年(1193年)5月、源頼朝による富士の巻狩りが行なわれていますが、その際に巨石が頼朝の乗る馬の足を止め、巨石の先に潜んでいたイノシシに襲われずに済んだと伝えられています。
これが「駒止の石」で、駒門という地名の由来ともいわれています。
駒門風穴 | |
名称 | 駒門風穴/こまかどかざあな |
所在地 | 静岡県御殿場市駒門69 |
関連HP | 御殿場市公式ホームページ |
電車・バスで | JR富士岡駅から徒歩10分 |
ドライブで | 東名高速道路裾野ICから約6km。東名高速道路駒門PAから徒歩20分 |
駐車場 | 15台/無料 |
問い合わせ | 駒門風穴案内所 TEL:0550-87-3965 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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