静岡県浜松市北区引佐町金指、金指関所跡の北、谷津砦(やづとりで=南北朝時代に井伊氏が築いた砦)近くにある臨済宗方広寺派の名刹が、実相寺(じっそうじ)。三岳山(みたけやま)を借景とする実相寺庭園は江戸時代初期の築山式枯山水庭園で、静岡県の名勝に指定されています。
江戸時代初期の築山式枯山水庭園は、静岡県の名勝
嘉暦元年(1326年)、稲荷山南麓に方広寺の悦翁和尚が創建した新正院が前身。
江戸時代初期の寛永5年(1628年)、金指近藤家(かなさしこんどうけ)の2代で、近藤貞用(こんどうさだもち)が近藤季用(こんどうすえもち)の菩提(ぼだい)のため、現在地に移し、金指近藤家の菩提寺となっています。
現存する本堂は延宝6年(1678年)、観音堂は元禄15年(1702年)、鐘楼門は享保2年(1717年)、庚申堂は弘化2年(1845年)の築で、江戸時代の建築物(浜松市の有形文化財)が残される浜松市内でも希少な寺。
庭園は、実相寺本堂の東側、観音堂の北側にありますが、江戸時代初期、本堂や観音堂など伽藍再整備と同時期に作庭されたと推測できます。
築山の背後には、近藤季用とその妻の小山のような塚墓も再建されています。
江戸時代に旗本となった金指近藤家ですが、近藤季用は、天正18年(1590年)、井伊直政の配下として小田原征伐で功を上げ、文禄元年(1592年)、豊臣秀吉から金指1000石を与えられ、さらに関ヶ原の戦いでは東軍に与して旧領を安堵、徳川家の旗本になりました。
実相寺庭園は、平成11年、中根庭園研究所が実相寺庭園調査を行ない、一躍有名に。
例年3月下旬~4月上旬にかけて、庭園のミヤマツツジが見頃になります。
龍潭寺庭園(国の名勝)とも2kmしか離れていないので、お庭のハシゴも可能です。
浜名湖の湖北五山は、摩訶耶寺(まかやじ)、大福寺(だいふくじ)、大本山方広寺(だいほんざんほうこうじ)、龍潭寺(りょうたんじ)、初山宝林寺(しょさんほうりんじ=金指近藤家の菩提寺)ですが、それに劣らぬ伽藍と名庭で、まさに「湖北の隠れた名刹」になっています。
実相寺 | |
名称 | 実相寺/じっそうじ |
所在地 | 静岡県浜松市北区引佐町金指1371 |
関連HP | 浜松市公式ホームページ |
電車・バスで | JR浜松駅から遠鉄バス渋川・奥山行きで45分、金指下車、徒歩10分 |
ドライブで | 新東名高速道路浜松西ICから約9km |
駐車場 | 30台/無料 |
問い合わせ | 実相寺 TEL:053-542-0601/FAX:053-542-0601 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
最新情報をお届けします
Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!
Follow @tabi_mag