鴨江寺(鴨江観音)

鴨江寺(鴨江観音)

遠州地方の民話で知られる芋堀長者の観音堂建立伝承がある古刹が浜松市中区の鴨江寺(鴨江観音)。平安時代には支院300を数える名刹となり、南北朝時代には南朝方・後醍醐天皇の綸旨を受け鴨江寺城となって足利軍・斯波氏の攻撃を受けています。高野山真言宗の寺で、遠州高野山と呼ばれています。

徳川家康の手により善光寺の本尊が安置されたことも

戦国時代の末期、天正11年(1583年)、徳川家康は、甲斐(甲府)、美濃(岐阜城下)と転々とし、尾張国の甚目寺にあった善光寺本尊(秘仏)を浄土宗の寺に置くのがいいとの理由を付けて鴨江寺に安置し(当時は天台宗寺院)、豊臣秀吉によって山城国(京都)の方広寺に遷座するまでの十数年、善光寺の秘仏本尊はこの鴨江寺にあったのです。

時に浜松城主だった徳川家康は信長の甲斐進軍に呼応して駿河の武田勢を撲滅し、戦功により駿河国を与えられていましたが、やはり本拠の遠州・浜松の鴨江寺を選んで、織田信長の意で甚目寺にあった善光寺本尊を遷したのです。

慶長13年(1608年)に火災で観音堂を失っていますが、江戸時代になって元和2年(1616年)、家康が観音堂を再建するなど家康との縁が強い寺となっています。

観音堂には、本尊である聖観音菩薩、善光寺如来、聖徳太子が祀られています。

鴨江寺(鴨江観音)
名称鴨江寺(鴨江観音)/かもえじ(かもえかんのん)
所在地静岡県浜松市中区鴨江4-17-1
関連HP鴨江寺公式ホームページ
電車・バスでJR浜松駅から徒歩15分
ドライブで東名高速道路三方原スマートICから約7km。浜松西ICから約9.5km
駐車場30台/無料、混雑時は近隣の有料駐車場を利用
問い合わせ鴨江寺(鴨江観音) TEL:053-454-5121
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
甚目寺観音

甚目寺観音

伊勢路と美濃路が合流し、京と尾張を結ぶ交通の要衝に位置した甚目寺(じもくじ/愛知県あま市)。寺伝によれば推古天皇5年(597年)、伊勢国の漁師・甚目龍麿(はだめたつまろ)が観音像を網で引き揚げ堂を建て安置したのが始まりという(境内からは白鳳

方広寺

1586(天正14)年、豊臣秀吉により京都・東山に創建された天台宗の寺、方広寺。豊臣秀吉が奈良の東大寺にならって大仏建立を志して造営したもの。1595(文禄4)年、大仏殿が完成し高さ6丈(18m)の廬舎那仏(るしゃなぶつ)を安置します。梵鐘

【除夜の鐘&初詣】鴨江寺・鴨江観音|浜松市

文武天皇の勅願によって創建されたという真言宗の古刹、鴨江寺(かもえじ)。浜松屈指のパワースポットとして、正月には「お鴨江まいり」の参拝客で賑わいをみせます。1月1日〜1月7日は『新年特別修正会』除夜の鐘は23:30~。「108番までに撞きた

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