静岡県静岡市清水区にある三保半島の東端に建つのが清水灯台(三保灯台)。明治45年3月1日に初点灯という歴史ある灯台で、日本で最初の鉄筋コンクリート造りの灯台。八角形の灯台は、建設当時の姿をそのままとどめ、海上保安庁のAランク(全国に23基)の保存灯台で、近代化産業遺産、土木遺産に認定。
製茶の輸出を見守った歴史ある灯台
明治32年に開港された清水港に出入りする船舶の安全のために三保半島の吹合ノ岬(ふきあいのみさき)に逓信省が直轄で建設したのが清水灯台。
日本において、初めて建設された鉄筋コンクリート造りの灯台ということで、国の重要文化財にも指定されています。
茶の輸出で賑わう、国際貿易港・清水港と駿河湾を行き交う船の安全を見守り続けてきました。
明治42年には製茶の輸出額が横浜港を抜いて清水港が日本一になっており(茶の最大輸出先はアメリカ)、そうした活況を背景に建設されています。
当初は、逓信省(当時灯台を所管していた省庁)から清水は船の難所ではないという理由で、灯台建設を却下されていましたが、地元の粘り強い働きかけで、明治44年に国費での建設が決まりました。
砂嘴(さし)である風光明媚な三保半島の先端部に建ち、富士を仰ぐ絶景の灯台にもなっています。
地元では三保灯台とも呼ばれていますが、正式名は清水灯台です。
往時には宿舎(吏員退息所)が併設されていましたが、平成7年3月に無人化しています。
塔高18m、水面から灯火までは21m(地上から灯火は15.6m)あります。
レンズは5等フレネルレンズで(灯器は英国バーミンガム製)、5万カンデラの光を発し、14海里(26km)まで光が届きます。
経済産業省の近代化産業遺産は、「安全な船舶航行に貢献し我が国の海運業等を支えた燈台等建設の歩みを物語る近代化産業遺産群」として認定。
鉄筋コンクリート灯台という、従来のレンガ造りや石造灯台とは異なる構造的な先駆性を示す灯台で、近代建築及び近代科学の基礎をなしたものということが認定の理由です。
Aランクの保存灯台は、静岡県内に神子元島灯台(下田市、明治3年初点灯、世界歴史的灯台百選)、御前埼灯台(御前崎市、明治7年初点灯、日本の灯台50選)の3ヶ所あります。
この3ヶ所は、すべて「安全な船舶航行に貢献し我が国の海運業等を支えた燈台等建設の歩みを物語る近代化産業遺産群」の構成遺産にもなっています。
清水灯台 | |
名称 | 清水灯台/しみずとうだい |
所在地 | 静岡県静岡市清水区三保 |
関連HP | 公益法人するが企画観光局公式ホームページ |
電車・バスで | JR清水駅から三保山の手線バスで25分、三保本町下車、徒歩20分 |
ドライブで | 東名高速道路清水ICから約12km |
駐車場 | 清水三保海浜公園駐車場を利用 |
問い合わせ | 清水海上保安部交通課 TEL:054-355-0225 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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