静岡県伊豆の国市北江間にある7世紀〜8世紀頃の横穴墓群が、北江間横穴群 (きたえまよこあなぐん)。海底にたまった火山灰の地層に掘られた遺跡で、国の史跡、そして伊豆半島ジオパークのジオサイトになっています。柔らかい地層に横穴を掘り、石棺、石櫃(せきひつ)を埋葬した横穴墓の遺跡です。
古墳時代の終焉期、北伊豆に築かれた横穴墳墓群
関東では、古墳時代の末期(6世紀末~7世紀末)に造られた横穴墓の吉見百穴(よしみひゃくあな/埼玉県比企郡吉見町)が有名ですが、伊豆半島にも静岡県内最大規模の300基以上の横穴墓が残存する柏谷横穴群(田方郡函南町)、江浦横穴群(沼津市)、宗光寺横穴群(伊豆の国市)などの横穴群があり、見学が可能。
江間横穴群は、東から大北東横穴群、大北横穴群、大北西横穴群、大師山横穴群、割山横穴群があり、合計101基の横穴墓が現存しています。
北江間横穴群では、石棺(せっかん)を安置したものと石櫃(せきひつ)を置いたものがありますが、それは埋葬方法の違いから。
火葬をせずにそのまま埋葬した石棺、そして時代が下がって火葬して火葬骨を石櫃に収める方法に変わったのだと推測できます。
出土した石棺の中の大北支群24号墓の火葬骨を納めた石櫃に「若舎人」(わかとねり)の銘が刻まれていますが(8世紀初頭、金石文としては静岡県内最古で、国の重要文化財)、7世紀後半の天武・持統朝の皇子宮(みこみや)の舎人(とねり=皇族や身分が高い人に仕える人)として出仕した人と推測でき、朝廷で重要な地位にあった人物が北伊豆に赴任していたことがわかります。
現地に置かれている「若舎人」の石棺はレプリカで、本物は伊豆の国市役所横の「あやめ会館」の1階に展示されています。
北江間横穴群から徒歩10分の場所には、「江間いちご狩りセンター」があり、12月中旬〜5月上旬にはいちご狩りを楽しむことができます。
北江間横穴群 | |
名称 | 北江間横穴群/きたえまおうけつぐん |
所在地 | 静岡県伊豆の国市北江間 |
関連HP | 伊豆の国市公式ホームページ |
電車・バスで | 伊豆箱根鉄道韮山駅からタクシーで15分 |
ドライブで | 伊豆中央道江間ICからすぐ |
駐車場 | あり |
問い合わせ | 伊豆の国市文化財課 TEL:055-948-1428/FAX:055-948-1220 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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