静岡県富士市を流れる富士川に架る歴史ある鉄道橋梁が、富士川橋梁・下り線(東海道本線)。現存する下り線の鉄橋は、明治21年9月完成し、明治22年2月1日開通時のもの(大正時代に桁を交換)。複線化時に上り線でしたが、現在は下り線として使用。
東海道線全通時に架橋の橋が現役!
『鉄道唱歌』(第1集東海道編)に「鳥の羽音におどろきし 平家のはなしは昔にて 今は汽車ゆく富士川を 下るは身延の帰り舟」と歌われた橋ですが、富士川の舟運は今はありません(当時、身延山参詣は富士川を舟で行くか身延道を徒歩で行くだけで、鉄道はまだ未開通でした)。
設計、監督は「鉄橋小川」の異名を有した小川勝五郎(おがわかつごろう)です。
東海道本線では大井川橋梁も担当しましたが、大井川橋梁へは代理人を送り、富士川橋梁につきっきりで監督。
急流で難工事が想定された富士川橋梁ですが、工期の間に完成し、「鉄橋小川」の名を高めるだけでなく、一連の作業工程は、その後の鉄橋架橋の基本となったのです(上流側の静岡県道396号の富士川橋も小川勝五郎が指導し、勝呂組が架橋)。
昭和57年8月2日の台風10号による富士川水位上昇で、第4号・第5号橋脚が倒壊、中央のトラス2連が流出し、現在はその部分だけワーレントラスに変更されています。
新幹線と富士山をアングルに収める新幹線の富士川橋梁は撮影スポットして有名ですが、レトロな橋という点では、東海道本線に軍配が上がります。
富士川橋梁・下り線(東海道本線) | |
名称 | 富士川橋梁・下り線(東海道本線)/ふじがわきょうりょう・くだりせん(とうかいどうほんせん) |
所在地 | 静岡県富士市松岡〜岩淵 |
ドライブで | 東名高速道路富士川スマートICから約1.8km |
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