9月中旬〜11月初旬、愛知県田原市で電照菊のライトアップが見頃となります。11月初旬頃から温室内にフィルムを貼ったり、防寒用のカーテン(ビニール)を二重にしたりと防寒対策が行なわれ、温室外に光が漏れにくくなるので、9月中旬〜11月初旬が見頃。田原市の蔵王山展望台などで観賞できます。
東海道新幹線で豊橋通過前後にも観賞できる!
田原市は栽培面積、出荷量ともに全国一位を誇る輪菊の産地で、出荷高も全国の4割を占め、出荷額の200億円は、千葉県の花卉生産額183億円を超える額となっています。
田原市では昭和7年、伊良湖岬村小塩津(現・田原市小塩津)の岡田儀八が、メロンやキュウリなどの栽培に木造温室を導入、戦争で途絶えましたが、昭和23年、伊良湖岬村堀切(現・田原市堀切町)の小久保英男が家庭用の電線から電気を取って電照菊の栽培を開始しています。
電照菊は、菊の花芽ができる前に電照し、人工的に日照時間を長くすることによ り、開花時期を遅らせ、秋ではなく需要の高まる冬場に高値で出荷する菊のこと。
比較的に温暖な渥美半島ですが、当初は電気の確保、点灯する時間、長持ちする菊の栽培(「秀芳の力」の導入)など様々な苦労とチャレンジがありましたが、その甲斐あって、今では日本一の電照菊の生産地となっているのです。
水不足に悩まされた渥美半島で、当初は自前の井戸、地区のため池、雨水を樽に貯めて用水として利用するなど非効率でしたが、昭和43年6月1日に豊川から導水する豊川用水の完全通水が実現、東三河地域(豊橋市、豊川市、蒲郡市、新城市、田原市)の農業産出額は4倍にも増えていますが、電照菊の栽培面積も大幅に拡大、現在の「不夜城のような輝き」が誕生したのです。
往時は電灯でしたが、近年では赤色LED灯に変わって、省エネとなっています。
以前は木造温室にガラスがはめられていたので、「ガラスの半島」とも称されましたが、今ではそれも昔語りになりつつあります(現役で大切に使用されている木造温室もあります)。
電照菊栽培で夜間の電照に用いる光は、赤色(波長630nm付近をピークとした590~640nm程度の範囲)が花芽分化抑制に効果的という研究もあり、LED灯ながら温かみのある赤い色味の不夜城となっています。
田原市内ではの蔵王山展望台、「伊良湖オーシャンリゾート」など高台からで俯瞰的に眺めることができますが、東海道新幹線で豊橋駅を通過する前後に、海側を眺めると電照菊の夜景を観賞できます。
渥美半島の電照菊のライトアップが不夜城のように輝く(9月中旬〜11月初旬) | |
開催日時 | 9月中旬〜11月初旬 |
所在地 | 愛知県田原市 |
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