日光山輪王寺・常行堂

日光山輪王寺・常行堂

勝道上人によって開山した日光ですが、空海に続いて天長6年〜天長10年(829年~833年)、円仁(慈覚大師)が入山。その影響を受けて創建したのが日光山輪王寺・常行堂(じょうぎょうどう)。現存する常行堂は、慶安2年(1649年)の再建ですが、国の重要文化財、世界文化遺産「日光の社寺」の構成資産になっています。

円仁がもたらした天台密を今に伝える堂と仏像

日光山輪王寺・常行堂

円仁(慈覚大師)は、下野国(しもつけのくに/栃木県)に生まれ、延暦21年(802年)、故郷・下野国の大慈寺(栃木市)で修行後、比叡山延暦寺で最澄に師事します。
唐に渡る前、大慈寺の宝塔院を建立するなどしていますが、日光山(当時の寺名は満願寺)では円仁の入山により、その力によって山岳宗教・修験とゆかりのある真言密教から比叡山延暦寺との結びつきが強まり、宗派が天台宗となったのです。

円仁は、千手観音、阿弥陀如来、馬頭観音を安置し(三仏堂の前身)、現在の日光市野口に近江・比叡山麓から山王権現(日枝神社)を勧請しています。

現存する常行堂は江戸時代の再建ですが、堂内は古い様式をよく伝えています。
円仁は、比叡山延暦寺・にない堂(阿弥陀如来を本尊とする常行堂と、普賢菩薩を本尊とする法華堂の2つ同じ形をしたお堂=2つ堂は、渡り廊下によってつながれ法華と念仏が一体であるという、比叡山の教えを体現)を模して建立。
純和様の宝形造(ほうぎょうづくり=4枚の屋根がすべて三角形となる屋根)で、隣接する屋根に強い反りのある純唐様(禅宗様)の法華堂(ほっけどう)との間に、渡り廊下を設けて接続しています(比叡山延暦寺・にない堂と類似)。
常行堂の中央には須弥壇が置かれ、鳥獣座に五智宝冠阿弥陀如来と孔雀に座った脇侍の四菩薩(金剛法菩薩、金剛利菩薩、金剛因菩薩、金剛語菩薩)が祀られています。
これは、天台密教の金剛界曼荼羅(円仁が唐・長安で絵師・王恵に描かせて取得)の一部の図像を具現化したもの。
堂内は公開されているので、靴を脱いで見学、参詣が可能です。

円仁創建の比叡山・東常行堂をきっかけに、全国の天台寺院で造立された常行堂本尊像の、最も正統的な姿を伝える仏像となっています。

須弥壇の周囲は通路となっており、往時には常行三昧(じょうぎょうざんまい=90日間念仏を唱えながら阿弥陀仏の周囲を回り続けます)という仏様の周りを歩きながら念仏を唱える修行が長きに渡って行なわれてきましたが、現在では回向(えこう=先祖供養・水子供養)の道場となっています。

この常行三昧は、唐に渡った円仁が五台山を巡礼し、天台大師から伝授された念仏三昧法の一部。
こうして日光に天台密教の基礎が伝わり、東国へと広まっていったのです。

取材協力/日光山輪王寺

名称 日光山輪王寺・常行堂/にっこうさんりんのうじ・じょうぎょうどう
所在地 栃木県日光市山内2300
関連HP 日光山輪王寺公式ホームページ
電車・バスで 東武日光駅から東武バス世界遺産めぐりでホテル清晃苑前下車、徒歩10分
ドライブで 日光宇都宮道路日光ICから約4km
駐車場 100台/有料
問い合わせ 日光山輪王寺 TEL:0288-54-0531
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

比叡山延暦寺・にない堂

ユネスコ世界文化遺産に登録された比叡山延暦寺の西塔(さいとう)地区にあるにない堂は阿弥陀如来を本尊とする常行堂と、普賢菩薩を本尊とする法華堂の2つ同じ形をしたお堂。この2つ堂は、渡り廊下によってつながれ法華と念仏が一体であるという、比叡山の

 

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