大正9年11月1日に創建した明治天皇と昭憲皇太后を祀る神社。東京都渋谷区にあり、毎年正月の参拝客数は300万人を超えて日本一を誇っています。神社としては新しいものですが、全国から寄せられた献木が歳月を経て鬱蒼とした森へと成長し、境内は昼でも薄暗い荘厳な雰囲気が漂っています。
巨木が茂る神宮の杜に注目
73ha(22万坪)という広大な神域は、江戸時代初めには肥後熊本藩加藤家の江戸下屋敷、その後は彦根藩井伊家の江戸下屋敷(上屋敷は現在の憲政記念館)だった場所。
明治維新後、宮内省が所轄する南豊島御料地「代々木御苑」となったため、明治天皇は「隔雲亭」を築き池に菖蒲を植えるなどして庭園化を図り、昭憲皇太后はしばしばこの地に行啓されています。
境内にある「清正井」(きよまさのいど)は加藤清正の子・加藤忠広が住んでいた地と推測されています(大名としての加藤家は加藤忠広の代で廃絶)。
加藤清正が掘ったという「清正井」、加藤清正が座ったとされる「清正の腰懸石」など、清正伝説を残す地となっています。
鬱蒼と茂った神宮の杜(もり)は、「明治神宮御境内 林苑計画」に基づき、日本各地のほか日本の統治下にあった朝鮮半島、台湾からの献木365種約12万本が計画的に植栽されたもの。
昭和45年の調査では環境に適合した247種17万本が生育していましたが、現在ではさらに淘汰が進み4万本弱の巨木の森となって神宮内苑の豊かな緑を形成しています。
100年後には広葉樹を中心とした極相林になるだろうという、現在の生物学分野での植生遷移(ecological succession)という概念の走りで、神宮の杜では壮大な実験が行なわれているのです。
大鳥居の先の菖蒲田は昭憲皇太后のために造成したもので、150種約1万株の花菖蒲が開花する6月は多くの人が訪れます。
本殿の北側にある校倉造の宝物殿は、当時の皇室の生活を伺える品々を収蔵しています。
明治神宮宝物殿13棟は近代和風建築(伝統的日本建築の意匠を取り入れた鉄筋コンクリート造建築)として国の重要文化財に指定。
隈研吾設計の「明治神宮ミュージアム」では、明治天皇と昭憲皇太后にゆかりの品々を展示しています。
明治神宮には「おみくじ」の代わりに、くじを引けば御製や御歌(明治天皇・昭憲皇太后が詠んだ和歌)を「大御心」として授与される仕組み。
ちなみに、国立競技場、秩父宮ラグビー場、聖徳記念絵画館などのある場所は、明治神宮の外苑。
聖徳記念絵画館も明治神宮の所有です。
明治神宮 | |
名称 | 明治神宮/めいじじんぐう |
所在地 | 東京都渋谷区代々木神園町1-1 |
関連HP | 明治神宮公式ホームページ |
電車・バスで | JR原宿駅から徒歩7分。東京メトロ千代田線明治神宮前駅から徒歩8分 |
ドライブで | 首都高速外苑ランプから約1.7km |
駐車場 | 65台/無料、12月31日〜1月3日は利用不可 |
問い合わせ | 明治神宮社務所 TEL:03-3379-5511/FAX:03-3379-5519 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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