皇居外苑

皇居外苑

東京都千代田区皇居外苑、昭和24年、旧皇室苑地が国民公園として開放されたもので、「皇居前広場」という呼び方で多くの人に親しまれているのが、皇居外苑。115haにも及ぶエリアには、江戸時代、老中や若年寄といった幕府中枢を担う大名の武家屋敷が建ち並んだ場所です。

二重橋を眺める東京観光の人気スポット

皇居外苑

馬場先濠、日比谷濠、凱旋濠、二重橋濠(湟池)、蛤濠、和田倉濠など江戸城の内堀に囲まれた一角で、南北に東京都道301号(内堀通り)が通り、皇居外苑を東西に分断するのは、日露戦争後の明治39年、凱旋道路として幅36mの道路が築かれ、日比谷濠に土橋(祝田橋)が架けられて、日比谷濠と凱旋濠に分断されています。

現在は手入れの行き届いた芝生と敷き詰められた玉砂利とのコントラストがとても美しい庭園になっており、ジョギングをする人や仕事の合間に休憩をとる人の姿が見ることができます。
また内堀にかかる石造アーチ橋・二重橋の美しさは、全国的にも有名。
東京を観光する人々の定番の記念撮影ポイントで、外国人ツーリストも多数訪れています。

昭和32年、島倉千代子の大ヒット曲『東京だョおっ母さん』でも、親子で手を引きながら皇居外苑(皇居前広場)で記念撮影するシーンが1番の歌詞(2番は靖国神社、3番は浅草)。
皇居外苑(皇居前広場)にある楠木正成像は、明治33年に設置されたもので、東京三大銅像にも数えられています。
また「楠公レストハウス」も営業し、食事も可能(予約で「くすのき御膳」なども)。

皇居外苑の西は江戸城西の丸で、現在は皇居。
皇居外苑(皇居前広場)から皇居正門を経て宮殿へ至る濠に架かる2つの橋の総称が二重橋で、手前の橋が「正門石橋」、奥の橋が「正門鉄橋」ということに。
正門には皇宮警察の皇宮護衛官の儀仗隊がおり、通常一般人は二重橋を渡ることはできませんが、新年や天皇誕生日の皇居一般参賀時には正門が開放され、渡ることが可能。

皇居東御苑を挟んだ北側にある昭和44年公開の北の丸公園は、もとは江戸城北の丸で、旧近衛師団跡地だった場所です。
夜間ライトアップされる和田倉噴水は、昭和36年に設置されたもの。

皇居外苑

かつて日比谷入江だった時代を想起させる黒松がシンボルツリー

皇居外苑で印象的なのは、芝生の広場と、植栽された黒松。
大芝生広場に点在しているクロマツは2000本もあり、皇居外苑を代表する美しい風景になっています。
実は日比谷濠、和田倉濠は、徳川家康の江戸城築城時には日比谷入江の最奥部だった場所で、海を活かして濠とし、その背後の海浜部を埋めたてて江戸城を築いていますが、皇居外苑となった部分(築城時は大名屋敷)は、黒松の茂る海浜部だったのです。
一帯に新たに黒松が植栽されたのは、明治21年からで、昭和14年~昭和18年の「皇紀2600年記念宮城外苑整備事業」で現在の姿になっています。

例年、厳冬期の1月〜3月に黒松の剪定が行なわれ、その美しさを保っています。
維持管理する国民協会(環境省)では園路で区切られた芝生地を「島」と呼び、風雨に耐え成長した海辺の松になぞらえ、1本、1本を自然風に仕立てているのです。

皇居外苑
皇居外苑
名称 皇居外苑/こうきょがいえん
所在地 東京都千代田区皇居外苑1-1
関連HP 環境省公式ホームページ
電車・バスで 東京メトロ二重橋前駅から徒歩2分、東京メトロ桜田門駅から徒歩3分、東京メトロ日比谷駅、東京メトロ・都営地下鉄大手町駅から徒歩8分
ドライブで 首都高速霞が関ランプから約1kmで日比谷駐車場、徒歩12分で馬場先門
駐車場 なし/日比谷駐車場(465台/有料)など周辺の有料駐車場を利用
問い合わせ 皇居外苑管理事務所 TEL:03-3213-0095/FAX:03-3201-1017
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
楠木正成像

楠木正成像

東京都千代田区皇居外苑、皇居外苑・皇居前広場の日比谷濠側に立つのが、楠木正成像。愛媛県の別子銅山200年記念事業として献納されたブロンズ製の騎馬像で、明治33年に設置されています。当時岡倉天心が校長を務めていた東京美術学校の総力を結集して制

日比谷濠

日比谷濠

東京都千代田区皇居外苑、江戸城を囲む濠(内堀)の一部が、日比谷濠(ひびやぼり)。祝田橋〜馬場先門の間の濠で、東南の角部分にあたります。濠の内側が有名な楠木正成像のある皇居外苑、南側が日比谷公園、東側に東京會舘、帝国劇場が並んでいます。かつて

馬場先濠

馬場先濠

東京都千代田区皇居外苑、環境省の国民公園になっているかつての江戸城の内堀の一部が、馬場先濠(ばばさきぼり)。南に日比谷濠、北に和田倉濠が続き、寛永6年(1629年)、日比谷濠との境には馬場先門が築かれています。馬場先門の枡形は失われています

和田倉濠

和田倉濠

東京都千代田区皇居外苑、江戸城本丸(現在の皇居)の東、江戸時代には有力大名の屋敷が並んだ外濠公園の東側に南北に通る内堀のひとつが、和田倉濠(わだくらぼり)。南に馬場先濠、そして日比谷濠、西に桔梗濠、大手濠と続き、濠には和田倉門跡へと続く和田

凱旋濠

凱旋濠

東京都千代田区皇居外苑、江戸城を取り囲む内堀のうち、皇居外苑・皇居前広場の南側に位置する濠が、凱旋濠(がいせんぼり)。もともとは東に続く日比谷濠の一部でしたが、明治39年、日露戦争を記念して皇居外苑を南北に縦断する凱旋道路(現・内堀道路)が

和田倉噴水公園

皇居外苑地区の一角にあり、平成7年、皇太子殿下のご成婚を機に完成した公園が和田倉噴水公園。もとは昭和36年、今上天皇のご成婚を記念して作られた、和田倉噴水を再整備したもので、高さ5.5m、長さ30mの滝などが配されており、まさに都会のオアシ

桔梗門

江戸城桔梗濠に面した門が桔梗門(ききょうもん)で、「桜田門外の変」で井伊直弼(いいなおすけ)が暗殺された外桜田門に対して、内桜田門とも呼ばれています。この門を入ると江戸城三の丸で、大名などの登城は、大手門と内桜田門(桔梗門)と定められていま

江戸城 桜田巽櫓

皇居参観へは桔梗門(内桜田門)の前にある広場に集合しますが、目の前の桔梗濠(ききょうぼり)の向かいにそびえる二重櫓(にじゅうやぐら)が桜田巽櫓(さうらだたつみやぐら)。江戸城本丸の東南(辰巳=巽)の方向にあることが名の由来です。富士見櫓、伏

坂下門

江戸城 坂下門

坂下門は江戸城西の丸造営直後に築かれた門が坂下門。江戸時代には西の丸大奥に近く、西の丸の通用門として利用されていました。現在、西の丸は皇居となっているため、宮内庁の管理で、通常は立ち入ることができません。文久2年1月15日(1862年2月1

二重橋(皇居正門鉄橋)

二重橋(皇居正門鉄橋)

東京都千代田区千代田、皇居正門の前、二重橋濠(湟池)に架かる橋が、二重橋(皇居正門鉄橋)。皇居外苑(皇居前広場)から見て手前の石橋が「皇居正門石橋」、奥側にある鉄橋が「皇居正門鉄橋」で、実際には重なって見えるから二重橋というのではなく、奥側

皇居正門石橋(眼鏡橋)

皇居正門石橋(眼鏡橋)

東京都千代田区千代田、皇居正門の前、二重橋濠(湟池)に架かる橋が、皇居正門石橋(眼鏡橋)。皇居外苑(皇居前広場)から見て手前側のアーチ石橋で、二重橋と誤解されていますが、実は二重橋は奥にある皇居正門鉄橋のこと。全長35.3m、幅員12.8m

御幸通り

行幸通り

東京都千代田区丸の内1丁目・2丁目、東京駅丸ノ内本屋(東京駅中央口交差点)と皇居外苑(内堀通り)を結ぶ道路が、行幸通り(みゆきどおり、ぎょうこうどおり)。正式名は東京都道404号(皇居前東京停車場線)で、全長400m、幅員73m(車道31m

 

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