東京都港区虎ノ門にある古社、西久保八幡神社。多田満仲(ただのみつなか)の三男、源頼信(みなもとのよりのぶ)が寛弘年間(1004年~1012年)に京・石清水八幡宮の分霊を勧請して霞ヶ関あたりに創建したのが始まりという古社。太田道灌の江戸城築城に際し現在地に遷されています。
徳川秀忠の妻・お江も祈願した武神・八幡神を祀る
明治初年の神仏分離以前は八幡山普門院と称し、東叡山寛永寺の末寺になっていて、八幡大菩薩を祀る江戸八所八幡のひとつに数えられる徳川家ゆかりの寺でした。
2代将軍・徳川秀忠の妻・お江(浅井三姉妹の末娘)は、慶長5年(1600年)、天下分け目の戦いとなる関ヶ原の合戦を前に、夫・徳川秀忠と、義父・徳川家康の戦勝を、その報賽に社殿を建立という直書をもって祈願しています。
その祈願書通り、寛永11年(1634年)には関ヶ原合戦戦勝のお礼に社殿を寄進しています。
残念ながら第二次世界大戦の戦火で往時の社殿を失い、現存する総檜造りの社殿は昭和28年の再建。
国道1号の拡幅などで境内も狭くなっています。
江戸八所八幡を巡る八八幡詣
江戸時代には富岡八幡宮(深川八幡宮/江東区富岡)、市谷亀岡八幡宮(市谷八幡宮/新宿区市谷八幡町)、穴八幡宮(高田の八幡宮/新宿区西早稲田)、大宮八幡宮(杉並区大宮)、鳩森八幡神社(千駄ヶ谷八幡/渋谷区千駄ケ谷)、金王八幡宮(渋谷八幡宮/渋谷区渋谷)、御田八幡神社(田町の八幡宮/港区三田)、西久保八幡神社(西の窪八幡宮)を1日で参拝する八八幡詣(ややはたもうで)が流行。
村尾嘉稜(むらおかりょう=村尾正靖/江戸時代後期の徳川清水家の御広敷用人)の紀行文『八八幡の記』によれば天保2年6月9日(1831年7月17日)、72歳の村尾嘉稜は8社を回り、行程15里と記しているので、なんと60km以上の道のりということになります。
八幡詣は渋谷と田町を除いて今戸と浅草御蔵前の石清水八幡を入れることもあるとも記されています。
ちなみに、現在はすべて八幡社という神社ですが、神仏習合時代には八幡神は仏教を守護する「八幡大菩薩」で、八幡宮にはそれを管理する神宮寺がありました。
西久保八幡神社 | |
名称 | 西久保八幡神社/にしくぼはちまんじんじゃ |
所在地 | 東京都港区虎ノ門5-10-14 |
関連HP | 西久保八幡神社公式ホームページ |
電車・バスで | 東京メトロ神谷町駅から徒歩3分 |
駐車場 | 周辺の有料駐車場を利用 |
問い合わせ | 西久保八幡神社 TEL:03-3436-2765/FAX:03-3436-6265 |
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