高森灯台

高森灯台

東京都新島村(にいじまむら)、式根島の玄関口、野伏港の東、小浜港の中間にあるのが高森灯台。昭和5年、75歳になる宮川タンが築いた石油ランプ式の灯台で、灯台に至る200段もの石段も自力で築いています。さらに完成後には、杖を手に石油を担ぎ上げたのです。

昭和5年、個人が築いた石油ランプ式の灯台

式根島の野伏港や小浜港に夜間入出港する漁船がしばしば遭難していたことから、安政3年
(1856年)、新島に生まれ、新島で育ち、その後、式根島に移住した宮川タンが一念発起して灯台を築いたもの。
完成までに費やした5年間は、高森山上で生活したのだとか。

新島では明治12年にコレラ(虎列刺)が大流行し、「死ぬと夜中にコッソリと(長栄寺に)運んで埋めた」(武田幸有著『新島炉ばなし』)という惨状でした。
その時、命を助けられた長栄寺住職への恩返しも込め、自ら林を切り開き、昭和20年、90歳で他界する2〜3年前まで雨の日も風の日も1日も休むことなく灯台に石油ランプを灯し続けたのです。

傍らには漁船などの航海安全と、島民の家内安全、安産を祈願した高森観音も立っています。
200段の石段は190段が現存。

その逸話は、創作どうわシリーズ『小さな島の小さな星』(著・久保喬、イラスト・鈴木義治/昭和59年、童心社)として出版されています。

野伏港の灯台は、この高森灯台をモチーフにしています。

高森灯台は水産庁の「未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選」にも選定されています。

高森灯台
名称 高森灯台/たかもりとうだい
所在地 東京都新島村
関連HP 式根島観光協会公式ホームページ
電車・バスで 野伏港から徒歩20分
問い合わせ 式根島観光協会 TEL:04992-7-0170/FAX:04992-7-0448
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
野伏港ふ頭灯台

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東京都新島村式根島、式根島の玄関港、野伏港にあるデザイン灯台が、野伏港ふ頭灯台。東京・竹芝桟橋からの「さるびあ丸」、下田港からの「フェリーあぜりあ」、新島とを結ぶ連絡船「にしき」を利用し、野伏港入港時に目にする灯台で、旧高森灯台をイメージし

 

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