府中市郷土の森博物館・まいまいず井戸

府中市郷土の森博物館・まいまいず井戸

東京都府中市、14haの敷地全体で府中の自然、地形、風土の特徴を表現した野外博物館が、府中市郷土の森博物館。「まいまい」はカタツムリの別名で、すり鉢状に掘り下げた凹地の井戸が、まいまいず井戸。平安時代に武蔵国国府に築かれていたまいまいず井戸の遺構を公園内に復元したもの。

武蔵国府跡の井戸を、府中市郷土の森博物館に復元

府中市郷土の森博物館・まいまいず井戸

すり鉢状の凹みの斜面に、井戸へと下る螺旋状の道が築かれていた様子がカタツムリに似ていることから、まいまいず井戸と呼ばれ、地下水位の低く水の貴重な伊豆諸島や、武蔵野台地で使われていた形式です。

復元された遺構は、武蔵国の国府跡(府中市寿町1-6)にあったもので、井戸へと下る道は確認することができませんでしたが、その形状や規模からまいまいず井戸のルーツと推定されています。
復元にあたっては、羽村市五ノ神のまいまいず井戸を参考に、螺旋状の道を敷設しています。

武蔵野では、東京都羽村市五ノ神(まいまいず井戸)、あきる野市渕上(渕上の石積井戸)、青梅市新町(大井戸)、埼玉県狭山市北入曽(七曲井)、狭山市堀兼(堀兼の井)が現存しています。
伊豆七島では新島、八丈島などに残されています。

昭和52年の発掘調査で、大國魂神社(おおくにたまじんじゃ)の東側から、大規模な礎石建物跡と掘立柱建物跡が発見され、武蔵国府跡(国衙地区)の遺構と推測されています。
寿町では昭和51年に深さ10mほどの「まいまいず井戸」の遺構が発見され、水に乏しい武蔵野台地に暮らすための公共整備が行なわれていたことが判明(この遺構を、府中市郷土の森博物館に復元)。

府中市郷土の森博物館・まいまいず井戸
名称 府中市郷土の森博物館・まいまいず井戸/ふちゅうしきょうどのもりはくぶつかん・まいまいずいど
所在地 東京都府中市南町6-50-36
関連HP 府中市郷土の森博物館公式ホームページ
電車・バスで 京王電鉄分倍河原駅から京王バス郷土の森総合体育館行きで6分、郷土の森正門前下車、徒歩1分
ドライブで 中央自動車道国立府中ICから約3.5km
駐車場 400台/無料
問い合わせ 府中市郷土の森博物館 TEL:042-368-7921
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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