浄閑寺

浄閑寺

東京都荒川区南千住2丁目にある浄土宗の寺が、浄閑寺。江戸幕府公認の吉原遊廓(昭和32年廃絶)の近く、日本提をたどった北端にあり、安政の大地震(1855年)で数多くの遊女が死亡した際にこの寺に投げ込んで葬ったことから「投込寺」ともいわれています。関東大震災、東京大空襲で死んだ遊女は、新吉原総霊塔に祀られています。

吉原の遊女を投げ込んだ投込寺

浄閑寺

浄閑寺は、吉原遊廓の誕生(1657年)よりも早い明暦元年(1655)の開創。
本尊は、阿弥陀如来で、江戸時代の本堂は、昭和59年に不審火で焼失しています。

境内には、永井荷風文学碑・筆塚がありますが、永井荷風は、遊女の暗く悲しい生涯に思いをはせて、しばしばこの寺を訪れていました。
毎年、4月30日に『荷風忌』が行なわれています。

安政大地震横死者を悼んで、新吉原貸座敷の楼主たちが毎年10月2日に空也念仏踊りを奉納していましたが、関東大震災で途絶しています。

浄閑寺には寛保3年(1743年)からの過去帳が保存され、遊女と被災者などを含め推定2万5000人もの人々が葬られていることがわかっています。

ちなみに江戸・東京の投込寺では、吉原の遊女を投げ込んだ浄閑寺のほか、内藤新宿の成覚寺(ともに浄土宗の寺)、そして品川宿の海蔵寺(時宗)があります。

浄閑寺
永井荷風文学碑・筆塚
浄閑寺
名称 浄閑寺/じょうかんじ
所在地 東京都荒川区南千住2−1−12
関連HP 浄閑寺公式ホームページ
電車・バスで 東京メトロ三ノ輪駅から徒歩2分
駐車場 10台/無料
問い合わせ 浄閑寺 TEL:03-3801-6870/FAX:03-3802-1849
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
成覚寺

成覚寺

東京都新宿区新宿2丁目にある浄土宗の寺が、成覚寺(じょうかくじ)。文禄3年(1594年)の創建で、元禄10年(1697年)、甲州街道の宿場・内藤新宿が設けられ、飯盛女(めしもりおんな)と呼ばれる遊女が増えて以降は、飯盛女が没した際の投込寺と

正受院

正受院

東京都新宿区新宿2丁目にある浄土宗の寺が、正受院(しょうじゅいん)。甲州街道の宿場町・内藤武新宿誕生以前の文禄3年(1594年)の創建で、奪衣婆(だつえば=三途の川で亡者の衣類をはぎ取る鬼婆)の像は「綿のおばば」と呼ばれ、咳どめの霊験がある

海蔵寺

海蔵寺

東京都品川区南品川4丁目にある時宗の寺が、海蔵寺(かいぞうじ)。永仁6年(1298年)創建の古刹で、江戸時代に品川宿が設置されて以降は、品川にあった鈴ヶ森刑場で処刑された人々、品川宿の飯盛女(事実上の遊女)、行き倒れの人などを葬ったことから

 

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