『日本遺産・大山牛馬市』を産んだ「鳥取和牛」に大注目! 

鳥取県に来たなら、ぜひ肉屋やスーパーなどの肉コーナーを回って、鳥取県産の肉やその加工品に注目を。実は鳥取県は江戸時代から和牛生産の盛んな地。日本遺産に登録された「地蔵信仰が育んだ日本最大の大山牛馬市」もそんな風土から生まれています。

江戸時代から鳥取藩は牛の育成に力を入れていた!

鳥取和牛の炭火焼きはぜひ味わいたい!

鳥取藩は、牛の飼育を奨励するため、牛の購入資金を貸し付ける「牛銀制度」を元禄8年(1695年)から始めるなど、実は江戸時代、現在の鳥取県である因幡国(いなばのくに)・伯耆国(ほうきのくに)は日本有数の牛の生産地だったのです。
とはいえこれは農業用の役牛で、肉食牛ではありません。
享保15年(1730年)には因幡国・伯耆国(現・鳥取県)の牛馬の売買交換市場として大山寺前に大山博労座(だいせんばくろうざ)が開設されています。明治時代には年4回、毎回数千頭の牛馬が取引され、日本三大市場のひとつと数えられるまでに発展したのです。これが「日本遺産」に認定の「地蔵信仰が育んだ日本最大の大山牛馬市」です。
江戸時代も後半になると、牛の改良が進み、「蔓牛」(つるうし)と呼ばれる優良種は市場において高値で取引されるようになりました。

大正9年、鳥取県は全国初の和牛の登録事業(和牛の戸籍管理)に着手し、血統を固定した和牛は「因伯牛」(いんぱくうし)というブランドで全国に名声を高めたのです。それまでの在来の鳥取県産牛の特徴は、体質強健・性質温順、さらに肉質がよいという長所があったのですが、一方で、体格が小さく晩熟である短所がありました。そこで、明治時代から大正時代の初めにかけ、改良が進められ、在来の長所に早熟早肥の特徴を加えた「因伯牛」が誕生したのです。

牛の霊を慰めるために鼻ぐりの銅をもって鋳造された大山寺の宝牛

鳥取和牛の最高峰「鳥取和牛オレイン55」の誕生

現在、黒毛和種で最も子牛登録頭数が多い雄牛は「平茂勝」号(鹿児島県)で30万頭を超える数ですが、昭和41年に開催された第1回全国和牛能力共進会の肉牛区で見事に1等に輝いたは鳥取県が生んだ「気高」号がその祖父。
鳥取県が産んだ「気高」号は日本のブランド和牛の祖となっているのです。

現在、鳥取県で生産されている和牛は、鳥取和牛(黒毛和種)、鳥取牛(鳥取和牛以外の肉牛)、因伯牛(種牛・子牛)、「鳥取和牛」(黒毛和種)と「鳥取牛」(乳用種)のブランド牛(肉牛)、「鳥取F1牛」(交雑牛)の5タイプ。

鳥取県の誇る3つのブランド牛は、「鳥取県産牛肉表示認定要領」において、次のように定められています。
(1)「鳥取和牛」は、鳥取県内で肥育された黒毛和種とする。
(2)「鳥取F1牛」は、鳥取県内で肥育された黒毛和種の雄と乳用種雌の交配種とする。
(3)「鳥取牛」は、鳥取県内で肥育された乳用種とする。

そんなブランド牛の中でも、「鳥取和牛おいしさ認定基準」をパスした牛だけに与えられる称号が、「鳥取和牛オレイン55」。
牛肉脂肪中のオレイン酸含量が55%以上(鳥取和牛のオレイン酸含量の平均は52%)で、鳥取県の名牛「気高」号の血統を引き継ぐ鳥取和牛」の最高峰が「鳥取和牛オレイン55」なのです。
ちなみにオレイン酸が3%違うと味覚にハッキリと現れるのだとか。

「まろやかな脂肪の質がポイント。赤身とのバランスの良さ、口に含めばお肉そのものの味がジュワッと広がる、おいしさが特徴」(地場産プラザわったいな)とのこと。
とはいえ、「鳥取和牛オレイン55」の年間販売頭数は350頭と少量。「地場産プラザわったいな」などで販売されているので、土産にぜひ購入を。

地場産プラザわったいな
名称 地場産プラザわったいな/じばざんぷらざわったいな
所在地 鳥取県鳥取市賀露町西3-323
関連HP 地場産プラザわったいな公式ホームページ
電車・バスで 鳥取砂丘コナン空港からタクシーで5分。または、JR鳥取駅日ノ丸バス賀露線で30分、かにっこ館前下車すぐ
ドライブで 鳥取自動車道鳥取ICから約8.5km
駐車場 450台/無料
問い合わせ 地場産プラザわったいな TEL:0857-50-1771/FAX:0857-28-8200
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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