脇町潜水橋

脇町潜水橋

徳島県美馬市を流れる吉野川に架る潜水橋(沈下橋)が脇町潜水橋。潜水橋(沈下橋)というと四万十川(しまんとがわ/高知県)が有名ですが、実は暴れ川として名高い吉野川にも多く架けられ、そのひとつが脇町潜水橋。舞中島渡しの渡し船を廃止して昭和36年架橋。現在の橋は平成16年に流出後、平成18年の架橋です。

徳島県道199号脇三谷線の橋

脇町潜水橋
この幅員でも県道橋

「うだつの上がる町並み」で有名な美馬市脇町の中心部と、吉野川対岸の美馬市穴吹町三島をつなぐのが脇町潜水橋。
潜水橋(沈下橋)ながら、徳島県道199号脇三谷線という県道の橋。
しかし幅員は3.6mで、明治時代の馬車道の幅員(2間=3.6m)と同じです。
橋長は、207mあり、路側部分のコンクリートが転落防止用にやや高くなっていますが、ガードレールがないので、慣れない人は少しドキドキすることでしょう。
橋の上でのすれ違いはできないので、橋の上を渡る車を見たときにはたもとで待機することに。

同じ美馬市には、穴吹川潜水橋と並ぶ有名な潜水橋(沈下橋)で、「にし阿波お勧めビューポイント100選」(美馬市・三好市・つるぎ町・東みよし町の4市町から選定)のひとつ。
とくに、脇町側の土手は、地元では有名な夕日のビューポイントになっています。

「オデオン座」(脇町劇場)を舞台とした映画『虹をつかむ男』(平成8年公開/監督・山田洋次、主演・西田敏行)のエンディングを飾るのがこの脇町潜水橋です。

四国三郎・吉野川が生んだ潜水橋(沈下橋)

吉野川は、河川勾配が急なため、降った雨は短時間で流出し、下流で越水、氾濫を生じる危険性があり、江戸時代には2年に一度のペースで洪水が起きていました。
吉野川の渇水時と増水時の水量の差は、「暴れ川」として有名な「坂東太郎」利根川の4倍近くあり、治水の難しさでは日本一といわれています。
川に橋を架けても流されてしまうため、大雨のときには水没して流出を防ぐ橋が考案されたのです。
これが潜水橋(沈下橋)で、三大河(日本三大暴れ川)のひとつ四国三郎・吉野川ならではの対策。

現存する日本最古の沈下橋は、明治45年架橋の龍頭橋(りゅうずばし/大分県杵築市・八坂川)です。
また、明治9年、八坂川に架けられた永世橋(ながせばし)が日本で最初の沈下橋というのが通説です。

脇町潜水橋
名称 脇町潜水橋/わきまちせんすいばし
所在地 徳島県美馬市脇町脇町〜穴吹町三島舞中島
電車・バスで JR穴吹駅から徒歩30分
ドライブで 徳島自動車道脇町ICから約4km
駐車場 道の駅藍ランドうだつ駐車場(30台/無料)
問い合わせ 美馬市観光課 TEL:0883-52-5610/FAX:0883-52-1704
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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