尾張津島天王祭|津島市|2024

尾張津島天王祭

2024年7月27日(土)~7月28日(日)、愛知県津島市で『尾張津島天王祭』が行なわれます。近世まで津島牛頭天王社(つしまごずてんのうしゃ)と呼ばれた津島神社の祭事で、酷暑の夏に、疫病が流行しないように祈願する祭りで東海地方各地の『祇園祭』のルーツ。土曜18:00〜宵祭(提灯祭)、日曜9:10〜朝祭(車楽祭)。

「日本三大提灯祭」、「日本三大祗園祭」にも

土曜の宵祭は、船2艘を横に連結し、中心に真柱を立て、そこに1年の月数12個(閏年13個)の提灯をつけ、半円形に1年の日数365個(閏年は366個)の提灯を装着。
提灯が飾り付けられた巻藁舟5艘(津島五車/旧津島5ヶ村=下構・堤下・米之座・今市場・筏場)が車河戸から津島楽を奏しながら(試楽)御旅所に漕ぎ渡るもの。

日曜の朝祭は、市江車(いちえぐるま)を先頭に6艘の車楽船が能の出し物をかたどった置物を飾り、楽を奏でながら漕ぎ進むもの。
先頭の市江車から10人の鉾持が布鉾を持って水中に飛び込み、川を泳ぎ、神社に向かって走ります。
市江車は、2艘の舟を並べた上に屋形を置き、その上に2層の屋台を載せた津島五車より大きな舟山車。
津島市の南5kmの旧市江村(現・愛西市)から出されるものです。
明治32年の佐屋川廃川以前には、市江村と津島は佐屋川と天王川によって結ばれていたのです。

宵祭と朝祭は「尾張津島天王祭の車楽舟行事」として国の無形民俗文化財に指定。
尾張津島天王祭車楽(だんじり)舟行事としてユネスコ無形文化遺産「山・鉾・屋台行事」に登録されています(全国33の祭礼が登録)。

また『秋田竿燈まつり』、『二本松提灯祭』と並んで「日本三大提灯祭」、大阪天満宮の『天神祭』、宮島・厳島神社の『管絃祭』と並び「日本三大川祭」、さらには『祇園祭』(京都・八坂神社)は『博多祇園山笠』(福岡・櫛田神社)と並び「日本三大祇園祭」に数えられることもあります。

織田信長も見学した『尾張津島天王祭』

室町時代に始まったという尾張津島天王祭。
戦国時代の津島は、「尾張の金銀はすべて津島を経由する」というほどに繁栄した尾張随一の商業都市でした。

近くにあった勝幡城(しょばたじょう)を拠点とする織田家もこの津島の財力を背景にして台頭し(織田信長も勝幡城で生誕)、尾張統一を果たし、ついには織田信長が天下統一を果たしたのです(津島を支配するために勝幡城を居城に)。

『大祭筏場車記録』の弘治4年(1558年)の条に、「かずさ殿、橋の上に御座候て、御見物なされ候、女房達橋坊主のうらに桟敷を打ち、それに御座候」と記されていますが、織田信長は、家督継承を機に「上総守信長」を名乗り、のちに「上総介信長」と称していたので、この記述は信長の津島天王祭見学の記述ということに。

さらに天正10年6月2日(1582年6月21日)、本能寺で明智光秀に討たれた信長ですが、その年の『尾張津島天王祭』は飾り物を廃し、素車の車楽船を出し、大山車も取りやめ、津島の庇護者でもあった信長・信忠親子に弔意を表しています。

ちなみに、津島神社(神仏習合時代には津島牛頭天王社)は織田家の産土神(うぶすながみ)で、神紋は木瓜紋と織田家の家紋と同じです。

尾張津島天王祭
歌川広重『六十余州名所図会』尾張 津嶋 天王祭り
尾張津島天王祭|津島市|2024
開催日時 2024年7月27日(土)~7月28日(日)/7月第4土・日曜
所在地 愛知県津島市神明町1
場所 津島神社・天王川公園
関連HP 津島市公式ホームページ
電車・バスで 名鉄津島線津島駅から徒歩12分
ドライブで 東名阪自動車道弥富ICから約7km
問い合わせ 津島市観光協会 TEL:0567-28-8051
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

津島神社

愛知県津島市に鎮座する津島神社は、社伝によれば540(欽明天皇1)年創建という古社で全国に3000ある天王社(牛頭天王・スサノオノミコトを祭神とする祇園信仰の神社)の総本社。祭神は、建速須佐之男命(たけはやすさのおのみこと)で疫病、厄難除け

天王川公園

7月の『津島天王祭』で有名で、全国に3000社ある天王社の総本社・津島神社の横にある公園。大正9年に佐屋川の支流・天王川の名残りの池を中心に開設された公園です。舟運が盛んだった時代には津島湊(つしまみなと=川湊)として尾張随一の隆盛を誇った

秋田竿燈まつり

秋田竿燈まつり|2024

2024年8月3日(土)~8月6日(火)19:00~21:00、秋田県秋田市で『秋田竿燈まつり』が開催。東北三大祭りのひとつで、竿燈全体を稲穂に、連なる提灯を米俵に見立て、額・腰・肩などにのせ、豊作を祈る行事で、国の重要無形民俗文化財に指定

二本松の提灯祭り

二本松の提灯祭り|2024

2024年10月5日(土)~10月7日(月)、福島県二本松市で『二本松の提灯祭り』が開催。「日本三大提灯まつり」のひとつで、寛永20年(1643年)、丹羽光重が二本松城主として入府した際、栗ケ柵に二本松神社を勧請し、創始したのが「ちょうちん

日本三大提灯祭

日本三大提灯祭とは!?

提灯(ちょうちん)とは本来、手に下げる明かりのこと。夜祭などの祭礼に使われることも多く、その代表格の秋田竿燈まつり(秋田県秋田市)、二本松の提灯祭り(福島県二本松市)、尾張津島天王祭(愛知県津島市)が「日本三大提灯祭」に数えられています。室

日本三大祇園祭

日本三大祇園祭とは!?

京、感神院祇園社(現在の八坂神社)の祭礼『祇園御霊会(ぎおんごりょうえ)』が祇園祭のルーツ。全国の祇園社、天王社で行なわれてきましたが、そのうち、京の祇園祭と、会津田島祇園祭(福島県南会津町)、尾張津島天王祭(愛知県津島市)、博多祇園山笠(

日本三大川祭

日本三大川祭とは!?

俗に「日本三大川祭」といわれるのは、尾張津島天王祭(愛知県津島市/津島神社)を筆頭に、大阪天満宮『天神祭』(大阪市)、そして厳島神社『管絃祭』(広島県廿日市市)の3ヶ所。宮島・厳島神社の『管絃祭』は、海で行なわれますが、川祭に数えられるのに

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!

よく読まれている記事

こちらもどうぞ