中島閘門

中島閘門

富山県富山市、岩瀬地区と富山市中心部を結ぶ富岩運河(ふがんうんが)の開削に合わせて昭和9年に完成した閘門(こうもん=高低の差の大きい運河で、船を昇降させるための堰)が中島閘門。河口から3.1km上流に位置し、2.5mの水位差を2対の扉で調整するパナマ運河式の閘門で、現在も運用されています。

現役のパナマ運河式の閘門

中島閘門

大正時代に制定された都市計画法に基づいて富山都市計画事業が計画され、物資運送の基幹施設として誕生した富岩運河(神通寺川の廃川跡は官公庁の用地になりました)。
中島閘門は、上流と下流の扉で仕切り、完成当時は工業用原料を運ぶ200t級の船を通す仕組みになっていました。
戦後、富岩運河は役割を終えましたが、昭和63年、富山駅北地区の新都市拠点整備事業「とやま都市MIRAI計画」のスタートとともに富岩運河環水公園の整備が始まり、平成9年に富岩運河環水公園がオープン。

それに合わせて中島閘門も平成10年に復元工事が完成し、富岩運河を走る「富岩水上ライン」に乗船すれば、パナマ運河式の閘門の動作を確認することができます(富岩水上ラインでは「水上エレベーター」と称しています)。

中島閘門は、昭和初期の土木技術を用いた石組み、鉄筋コンクリート造りで、扉体は今では珍しいリベット接合になっています。
数少ない都市計画事業による運河閘門、そして昭和初期の土木技術の完成度の高さを示すものであることから、昭和の土木構造物では全国で初めて国の重要文化財に指定。
富岩運河環水公園の近くのいたち川と富岩運河の船溜まり間にある牛島閘門は国の登録有形文化財。

「富岩水上ライン」の運河クルーズCコース(環水公園〜中島閘門の往復)に乗船すれば、中島閘門でいったん下船し、中島閘門操作室見学があります。

国の重要文化財に指定される閘門

現在、国の重要文化財に指定される閘門は、富岩運河の中島閘門を筆頭に、利根川と横利根川の合流部に造られた横利根閘門(茨城県稲敷市・千葉県香取市)、木曽川と長良川の水位差を克服する船頭平閘門(せんどうひらこうもん/愛知県愛西市)、北上運河の起点の石井閘門(宮城県石巻市)、淀川と旧淀川(大川)を隔てる旧毛馬水門(毛馬第一閘門/大阪府大阪市)の5ヶ所です。

中島閘門
名称 中島閘門/なかじまこうもん
所在地 富山市中島2丁目浦川原割3-2
電車・バスで 富山地方鉄道富山港線ポートラム越中中島駅から徒歩15分
ドライブで 北陸自動車道富山ICから約9km
駐車場 20台/無料
問い合わせ 富山県富山港事務所 TEL:076-437-7131
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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