黒部川電気記念館

黒部川電気記念館

富山県黒部市、宇奈月温泉の黒部峡谷鉄道のトロッコ列車が発着する宇奈月駅の駅前にある関西電力のミュージアムが黒部川電気記念館。映画『黒部の太陽』(昭和43年年)に象徴される黒部川の電源開発を詳細に解説する博物館で、黒部峡谷探勝の前後に、ぜひ立ち寄りたい施設です。

黒部川の電源開発を詳しく紹介

電力不足を補う黒部川の電源開発は、北アルプス山中にダムを築くという前代未聞の工事が必要でしたが、日本の発展にとって欠かせないものだったのです。
大正12年、日本電力(戦前の五大電力会社=東京電燈、東邦電力、大同電力、宇治川電気、日本電力のひとつ)が宇奈月~猫又間の軌道の開削に着手(現在の黒部峡谷鉄道)。
黒部峡谷の下ノ廊下)を通る上級者向け登山道として知られる日電歩道もこのときに開削された物資運搬用の道です。

大正13年に黒部峡谷最初の発電所、柳河原発電所が着工していますが、工事は困難を極め10年後の昭和2年にやっと運転を開始。

今では観光用に走る黒部峡谷鉄道のトロッコ列車も、もともとは工事用の資材を運搬するために建設された軌道で、現在も関西電力の関係者を運ぶ専用の車両があります。
観光に転用される以前のきっぷには「安全を保証しません」と記されていました。

黒部川電気記念館は、昭和62年に旧黒部川電力所跡地に建設された施設で、人跡未踏の秘境といわれた黒部峡谷の電源開発の歴史を学ぶことができます。
「大町トンネル」の掘削の困難さを伝える工事の現場をイメージしたトンネル模型、黒部ダム建設過程のイメージを3Dプロジェクションマッピングで紹介するコーナーでは、一時は完成を諦めかけるほどの難工事だった黒部ダム建設の歴史を振り返ることができます。

「日電歩道」を実物大に再現したレプリカもユニークで、こちらは下ノ廊下挑戦を考える山好きに人気。
黒部峡谷を走るトロッコ電車のシアター(トロッコ電車を再現したシートに座り、マルチモニターがつくりだす迫力のパノラマ映像を観賞)、アメリカ・ジェフリー社で製造された黒部専用鉄道の工事用小型電気機関車EB5号型(大正15年~昭和46年に運行)なども展示され、鉄道ファンにも人気の施設となっています。

ちなみに、現在、黒部川水系には、上流側から黒部ダム、仙人谷ダム、小屋平ダム、出し平ダム、宇奈月ダム(国土交通省管理)と12の水力発電所があります。
各発電所は富山市にある北陸水力制御所から遠隔制御され、発電した電気は主に関西方面に送られています。
黒部峡谷鉄道の車窓からは、宇奈月ダム、出し平ダム、小屋平ダムを眺めることができます。
また終点の欅平駅に隣接するのが黒三発電所、猫又駅近くに黒二発電所、柳橋駅前に西洋の城郭風の新柳河原発電所があります。

黒部川電気記念館
名称 黒部川電気記念館/くろべがわでんききねんかん
所在地 富山県黒部市黒部峡谷口11
関連HP 関西電力公式ホームページ
電車・バスで 富山地方鉄道宇奈月温泉駅から徒歩3分
ドライブで 北陸自動車道黒部ICから約13km
駐車場 宇奈月駅前駐車場(350台/有料)
問い合わせ 黒部川電気記念館 TEL:0765-62-1334
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
黒部ダム(黒四ダム)

黒部ダム(黒四ダム)

黒部ダムは、戦後日本の電力不足を補うために昭和31年から7年の歳月をかけ完成した関西電力のアーチ式ダム。黒四ダムと通称されるのは、黒部川第四発電所から。とくにダム建設のために大町とダムサイトを結ぶトンネル工事は破砕帯(はさいたい)と呼ばれる

黒部峡谷鉄道(トロッコ電車)

黒部峡谷鉄道(トロッコ電車)

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宇奈月ダム展望台

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出し平ダム

出し平ダム

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新柳河原発電所

新柳河原発電所

うなづき湖の湖畔にある西洋の城を思わせるフォルムの発電所。平成5年に運用が開始された水路式の水力発電所で、黒部川の出し平ダム、黒薙川の二見ダムの水を使っています。黒部峡谷鉄道(トロッコ列車)の車窓からのみ見学が可能で、黒薙方面(黒部川上流)

 

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日本全国を駆け巡るプレスマンユニオン編集部。I did it,and you can tooを合い言葉に、皆さんの代表として取材。ユーザー代表の気持ちと、記者目線での取材成果を、記事中にたっぷりと活かしています。取材先でプレスマンユニオン取材班を見かけたら、ぜひ声をかけてください!

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