旧富山銀行本店(旧高岡共立銀行本店)

旧富山銀行本店(旧高岡共立銀行本店)

富山県高岡市、富山県内唯一の本格的西洋式の銀行建築が旧富山銀行本店(旧高岡共立銀行本店)。清水組(現・清水建設)技師長の田辺淳吉(たなべじゅんきち)が設計し、大正4年に高岡共立銀行本店として完成した赤レンガの建物。当時一帯は証券会社や金融会社の本店、支店が軒を連ね、「北陸のウォール街」と呼ばれていました。

富山県内唯一の本格的西洋式建築物

レトロで重厚な銀行建築は、イギリス積みの赤レンガ、柱、窓回りには白御影石が配されています。
大正6年の高岡新報には「数多く新築された建築中最も良い建築だと常に敬意を表して居る」と記され、高岡市民に赤レンガの銀行と親しまれてきました。
長らく富山銀行本店として使われていたため、内部は近代的に改装されています。

令和元年11月25日に高岡駅前東地区に富山銀行の本店が移転新築され、銀行としての役目を終えています(旧本店の赤レンガ棟は、高岡市に無償譲渡)。
建物が建つ場所は、国の重要伝統的建造物群保存地区の「山町筋伝統的建造物群保存地区」の一角で、山町筋の景観を構成する伝統的建造物のひとつ。

レンガ造りの銀行建築に渋沢栄一の尽力が!

明治時代の富山の貿易港は、伏木港、東岩瀬港で、高岡は鉄器産業だけでなく、肥料の取引など砺波の産業の拠点として繁栄。
大地主、廻船問屋が発起人となって、高岡共立銀行を設立したのです。

高岡共立銀行は、高岡政財界の御三家(木津・菅野・荒井)のひとりで廻船業と肥料の商いで財を成した木津太郎平(きづたろへい)、海運業で繁栄する東岩瀬の馬場道久(ばばどうきゅう=初代の頭取)、伏木の廻船問屋・平能五兵衛、初代福岡町長の高広次平(たかひろじへい=明治33年、富山県多額納税者として貴族院議員に互選)らの尽力で明治28年に設立(明治29年2月13日開業)。

初代の支配人は渋沢栄一に推薦を依頼し、渋沢栄一の尽力で第一国立銀行行員・大橋半七郎が就任。
渋沢栄一は、木津太郎平、大橋半七郎に「軽佻にながれず姑息に偏せず時勢に応じて改進に努めたい」、「無謀な競争を避けて共に実を挙げるよう心がけたい」などの書簡を送っています。
本店建設にあたって、清水組を紹介したもの渋沢栄一で、富山を代表する赤レンガ造りの建物の背後には渋沢栄一の尽力があったのです。
設計した田辺淳吉も辰野金吾の監修を受けているといわれています。

高岡共立銀行は、大正9年に高岡銀行と合併、さらに昭和18年、戦時下の「一県一行」政策で十二銀行、富山銀行、中越銀行との合併で北陸銀行となりました。
旧高岡共立銀行本店建物は、昭和39年11月から、昭和29年創業の地銀、富山銀行の本店として使われました。

注/使用する外観の画像は富山銀行本店時代のものです

名称 旧富山銀行本店(旧高岡共立銀行本店)/きゅうとやまぎんこうほんてん(きゅうたかおかきょうりつぎんこうほんてん)
所在地 富山県高岡市守山町22
関連HP 高岡市観光ポータルサイト
電車・バスで 万葉線末広町駅・片原町駅から徒歩5分。または、JR高岡駅から徒歩10分
ドライブで 能越自動車道高岡ICから約5km、北陸自動車道小杉ICから約10km
駐車場 山町筋観光駐車場(20台/無料)
問い合わせ 高岡市観光交流課 TEL:0766-20-1301/FAX:0766-20-1496
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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