風光明媚な室戸阿南海岸(国定公園)に敷設された阿佐海岸鉄道・阿佐東線。海岸沿いを走る線路に、バスが走るという異色の絶景を眺めることができます。このバスは、DMVと略称されるデュアル・モード・ビークル(Dual Mode Vehicle)で、鉄道車両として改造されたバスで、道路と線路の両方を走ることができます。
DMVの世界初となる実用化が四国で実現
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室戸阿南海岸国定公園は、北は徳島県の橘湾から南は高知県の室戸岬一帯までの海岸線延長200kmに及ぶリアス式海岸。
この海岸線沿いの海部駅(徳島県海部郡海陽町)と甲浦駅(甲浦信号場/高知県安芸郡東洋町)を結ぶ阿佐海岸鉄道・阿佐東線です。
この牟岐線をさっそうと走るDMV(デュアル・モード・ビークル)は、もともと過疎地を走るJR北海道が日本除雪機製作所と実用化に向けて共同開発したもの。
平成16年には、日産自動車の3代目となるシビリアン(マイクロバス)を改造した第1次試作車(愛称・サラマンダー901/定員34名)が完成し、日高本線、岳南鉄道(現・岳南電車)岳南線、南阿蘇鉄道、天竜浜名湖鉄道で走行実験が行なわれ、平成19年と平成20年には第2次試作車を使い、釧網本線(せんもうほんせん)浜小清水駅〜藻琴駅と周辺の道路での実証実験が行なわれました。
その後、JR北海道は保線などの安全性向上を優先させるとして、実用化を断念。
その一方で、阿佐海岸鉄道(徳島県)が徳島県、高知県など関連自治体でつくる「阿佐東線DMV導入協議会」を設置、首尾よく世界初となる実用化が実現したのです。
阿佐海岸鉄道・阿佐東線には、線路からバスへ、バスから線路へとモードチェンジできる「モードインターチェンジ」を2ヶ所設置し、令和3年12月25日から世界初となるDMVでの本格営業運行が開始。
「モードインターチェンジ」では、マイクロバスを改造したDMV車体から鉄車輪が現れ鉄道モードへ、また鉄車輪を格納してバスモードへとモードチェンジが行なわれます(モードチェンジはわずか15秒ほどで、乗客を乗せたままで実施)。
鉄道モードでは後ろのゴムタイヤが駆動することで線路上を走行し、実は鉄車輪は駆動しません。
前後の鉄車輪は線路上を走行するためのガイド役であるとともに、ゴムタイヤに架かる圧力を軽減しているのです。
阿波海南文化村から阿波海南駅までをバスモード、阿波海南駅から海部駅、宍喰駅、甲浦駅までを鉄道モードで、再度バスモードになって海の駅東洋町、道の駅宍喰温泉までの区間を往復運行。
土日祝日は上記の運行に加え、海の駅東洋町から室戸方面へ1日1往復運行し、むろと廃校水族館、室戸世界ジオパークセンター、室戸岬、海の駅とろむ(室戸ドルフィンセンター)に停車します。
また、阿波海南駅では、JR牟岐線と乗り継ぎが可能なほか、海の駅東洋町では高知東部交通と徳島バス南部と連絡しています。
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【異色の絶景】世界初、海岸線の線路に、バスが走る! | |
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