本州で1ヶ所! チャツボミゴケが緑に輝き、観察に絶好!

チャツボミゴケ

群馬県吾妻郡中之条町、花敷温泉、尻焼温泉の奥、入山地区の西端にあるチャツボミゴケ公園は、本州ではここだけというチャツボミゴケの自生地。強酸性火山性水域に生育するという珍しいコケ類で、6月は緑がもっとも美しいシーズンです。真夏は強い日照で色褪せるため、梅雨時が実は見学のベストシーズンに。

かつては鉄鉱石を採掘し、旧六合村に繁栄をもたらした

チャツボミゴケはpH2.0〜pH4.6程度までの強酸性火山性水域に生育する、ウロコゴケ目ツボミゴケ科の苔類で、学名はJungermannia vulcanicola。
穴地獄から湧き出る強酸性の温泉(水温20度程度の鉱泉)に育まれたチャツボミゴケは、苔類1万8000種の中でも最も耐酸性の強い特異なコケで、穴地獄から沢沿いの440mの範囲に生育しています。
チャツボミゴケの群生地であるチャツボミゴケ公園(入園料が必要です)は、初夏の新緑、秋の紅葉、冬の銀世界と四季の風情がありますが、夏はさすがに弱るので、もっとも観察に最適なのが緑がまばゆい初夏ということに。

チャツボミゴケと鉄バクテリアの生物活動の副産物として鉄鉱の生成が行なわれるため、「六合チャツボミゴケ生物群集の鉄鉱生成地」として国の天然記念物に指定。
さらにはラムサール条約にも登録されています。

元山川の源流部にあるチャツボミゴケ公園一帯は、廃鉱となった日本鋼管群馬鉄山跡。
穴地獄から流下した酸性水が下流の谷間に長期間にわたって堆積した結果、褐鉄鉱の沈澱鉱床が生成されたと推測され、昭和40年まで露天掘りで鉄鉱石を産出していました。
採掘した鉄鉱石を一時的に保管し、貨車へ積み込むための「貯鉱槽」などが、旧太子駅(きゅうおおしえき/国鉄長野原線太子支線の駅)に現存しています。

北海道上士幌町の丸山(標高1691m)にある噴泉塔の周囲にも生育していますが、国内でもっとも手軽に観察できるのがチャツボミゴケ公園です。

チャツボミゴケ公園
冬のチャツボミゴケ公園(公園自体は冬期休園でスノーシューで到達)
チャツボミゴケが緑に輝き、観察に絶好のシーズンに!
所在地 群馬県吾妻郡中之条町入山13-3
場所 チャツボミゴケ公園
関連HP 中之条町公式ホームページ
電車・バスで JR長野原草津口駅からタクシーで40分
ドライブで 関越自動車道渋川伊香保ICから約66km
駐車場 50台/無料
問い合わせ チャツボミゴケ公園管理事務所 TEL:0279-95-5111/FAX:0279-95-5117
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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