熊野古道、熊野九十九王子(くまのくじゅうくおうじ)のうち、田辺側からの中辺路(なかへち)の入口にある社が滝尻王子(たきじりおうじ)。五体王子(滝尻王子・発心門王子・藤代王子・切目王子・稲葉根王子)のひとつ。富田川(岩田川)と石船川との合流点にあり、熊野古道の起点=熊野の神域への入口として、最も重視された場所です。
熊野三山の聖域の始まりにある社
周辺の川は身を清める垢離場(こりば= 水垢離の行場)のひとつで、中世の熊野詣ででは社で経供養や神楽を奉納したとか。
神仏習合時代には不空羂索菩薩を本地仏として祀る滝尻五体王子社でしたが、現在(明治の神仏分離以降)は地元の氏神、十郷神社となっていて、天照皇大神、日子火能迩々芸命、天忍穂耳命、日子穂々手見命、鵜茅葺不合命の5柱が祀られています。
また後鳥羽上皇は、度々歌会も開いています。
承久3年(1221年)の承久の乱以降、平安貴族の熊野詣でが途絶えると、荒廃。
その後、岩田川の渡渉が嫌われて、熊野参詣道が潮見峠越えに移行しています。
滝尻王子の川向に滝尻バス停があり、JR田辺駅からのバスを利用してここから中辺路歩きをスタートするのが一般的。
熊野三山の聖域の始まりである滝尻王子から熊野本宮大社まで、1泊2日で歩くロングコースになっており、滝尻王子から高原(たかはら)地区へはいきなりの急坂で驚かされるでしょう(胎内くぐり、乳岩、不寝王子を経て剣ノ山経塚跡までは急な登りが連続します)。
滝尻王子〜高原は、3.9km、所要2時間30分。
最高標高は剣ノ山経塚跡(370m)で、滝尻王子(標高85m)とは300m近い高度差があり、登りの連続となります。
滝尻王子周辺には公衆トイレや駐車場、観光案内所「熊野古道館」、無人休憩所「滝尻茶屋」などがあり、スタート前の準備を整えることができます。
国の史跡「熊野参詣道」の一部で、「紀伊山地の霊場と参詣道」(中辺路=京都と熊野三山及び熊野三山相互を結ぶ最も主要な参詣道)として世界遺産に登録。
「紀伊山地の参詣道ルール」が定められているのでマナーを守って探勝を。
名称 | 滝尻王子/たきじりおうじ |
所在地 | 和歌山県田辺市中辺路町栗栖川 |
関連HP | 田辺観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR紀伊田辺駅からJRバス・龍神バス栗栖川・発心門王子方面行きで40分、滝尻下車すぐ |
ドライブで | 阪和自動車道南紀田辺ICから約21km |
駐車場 | 3台/無料 |
問い合わせ | 田辺観光協会 TEL:0739-26-9929/FAX:0739-22-9903 |
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