和歌山市紀三井寺の熊野街道沿い、名草山の中腹に位置する救世観音宗総本山の紀三井寺。寺の正式名は紀三井山金剛宝寺護国院(きみいさんこんごうほうじごこくいん)。宝亀元年(770年)、唐の僧・為光が開山。紀三井寺という名前は、寺の境内に吉祥水、楊柳水、清浄水の3つの井戸があることに由来します(三井水は名水百選)。
親仏殿の大千手十一面観音は神々しい!
本尊は十一面観音で、西国三十三所観音霊場の第2番札所になっています(西国三十三所の1番札所は青岸渡寺、3番は粉河寺)。
本尊・十一面観世音菩薩は、厄除け、開運、良縁成就、安産・子授けに霊験あらたか。
毎月18日の縁日には多くの参詣者でにぎわいをみせます。
近江の三井寺と区別するため、紀州の「紀」を付けたとされます。
藩政時代には紀州徳川家歴代藩主の祈願所にもなって繁栄。
名水の名を刻銘した砂岩製の水槽は、慶安3年(1650年)、紀州徳川家の祖・徳川頼宣(とくがわよりのぶ=徳川家康の十男)の命により設けられたもの。
永正6年(1509年)年建立の楼門、天正16年(1588年)の鐘楼、文安6年(1449年)の多宝塔は国の重要文化財。
鉄筋コンクリート造3階建の新仏殿は、平成20年5月21日に落慶。
大千手十一面観音が見事です。
また高台に位置するため、境内、親仏殿の回廊からの「和歌の浦」は絶景、晴れた日なら遠く淡路島、四国までも眺望します。
早咲き桜の名所としても知られる
500本ある「関西一の早咲き桜の名所」としても知られ、「日本さくら名所百選」にも選定。
和歌山地方気象台指定の標本木(ソメイヨシノ)が本堂前にあるので、お見逃しなく。
「みあぐれば さくらしもうて 紀三井寺」 (芭蕉)
松尾芭蕉は、貞享5年(1688年)2月18日に父の三十三回忌法要を故郷・伊賀上野で済ませ、吉野の花見の旅に出かけ、3月22日に吉野山に入り、3月26日に高野山に参詣。
3月27日は名手宿に泊まり、小野坂から汐見峠をを越え、3月28日に和歌浦と紀三井寺を訪ねています。
旧暦の3月28日ですから、残念ながら桜はすでに終わっていました(旧暦では3月上旬には満開に)。
句碑は三井水のひとつ「清浄水」の近くにあります。
草履の鼻緒が切れて難儀している文左衛門に鼻緒をすげ替えてくれたのがおかよで、ふたりはこれがきっかけで結ばれたというわけ。
まさに観音様の縁結びというわけなのです。
紀三井寺のおもな年中行事
1月1日〜3日/初詣=終日大祈祷が行なわれます。
1月18日/初観音=13:00〜1年最初の観音様の縁日で、大般若経転読とお加持があります。
2月3日/節分=福つき豆まき、終日大祈祷が行なわれます。
旧暦初午の日/初牛(はつうま)=福つき大投餅、終日大祈祷が行なわれます。
3月20日~4月20日/桜祭り=桜の花見がてらの参詣が可能です。
4月13日前後の日曜/十三詣り=14:00〜合同お授け法要が行なわれます。
7月7日/七夕・祇園祭=七夕子供のど自慢大会などが行なわれます。
8月9日/千日詣=この日1日の参詣で1000日分の功徳が!
8月15日/灯篭供養=18:00〜お盆の送り火。
11月13日/開山忌=13:00〜
12月18日/しまい観音=一年最後の観音様の縁日で、厄除開運大根炊きが行なわれます。
西国三十三所霊場間の距離・時間
1番・那智山青岸渡寺(和歌山県東牟婁郡那智勝浦町那智山8) — (165km/3時間10分) — 2番・紀三井山金剛宝寺/紀三井寺(和歌山県和歌山市紀三井寺1201) — (29km/1時間) — 3番・風猛山粉河寺(和歌山県紀の川市粉河2787)
※距離と時間はルートや交通状況により変動するため、およその目安です
紀三井寺 | |
名称 | 紀三井寺/きみいでら Kimiidera Temple |
所在地 | 和歌山県和歌山市紀三井寺1201 |
関連HP | 紀三井寺公式ホームページ |
電車・バスで | JR紀三井寺駅から徒歩10分 |
ドライブで | 阪和自動車道和歌山ICから約9.2km |
駐車場 | 40台/有料 |
問い合わせ | 紀三井寺 TEL:073-444-1002/FAX:073-444-3678 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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