大日山35号墳

大日山35号墳

和歌山県和歌山市にある岩橋千塚古墳群(和歌山県で唯一、国の特別史跡に指定)・大日山地区にある前方後円墳が、大日山35号墳(だいにちやまさんじゅうごごうふん)。一帯の最高点である大日山(標高141m)山頂に築造された古墳で、墳丘長86mは、和歌山県第2位の巨大な古墳です。

紀ノ川流域を一望する一等地に築かれた首長墓

大日山35号墳

大日山35号墳は、4世紀末〜7世紀後半に築かれた850基あまりの古墳で構成された岩橋千塚古墳群(国の特別史跡に指定)のひとつ(現在は、国の特別史跡指定地内に413基の古墳を確認)で、紀ノ川流域を一望する高台の一等地に築かれています。
埋葬施設は後円部における両袖式(右片袖傾向)の横穴式石室(岩橋千塚古墳群に特徴的な石室)で、長さ4.33m、高さ2.85m、玄門幅0.84m、奥壁幅2.42m。
墳丘長は86mですが、基壇を含む全長は105mもあり、東西には造出(つくりだし=前方後円墳のくびれ部の両側に付設された方形台状の突出部)が築かれ、墳丘や基壇には埴輪列が配されていました。
築造は、6世紀前半(古墳時代後期)で、その規模、副葬品などから紀伊における首長の墓だと推測できます。

墳丘両くびれ部の造出からは多数の形象埴輪が出土していますが、そのうち、両面人物埴輪(頭部の両面に顔の表現をもつ国内唯一の埴輪=古墳に悪いものを寄せ付けない特別な霊力をもった人物)、翼を広げた鳥形埴輪、胡籙(やなぐい=矢を入れて背負う道具)は全国初の出土です。
出土した埴輪や副葬品(埴輪25点、須恵器6点は国の重要文化財)は「紀伊風土記の丘資料館」に収蔵展示されています。

和歌山県では天王塚古墳(和歌山市、岩橋千塚古墳群・和佐地区)・墳丘長88m、車駕之古址古墳(しゃかのこしこふん/和歌山県和歌山市木ノ本)・墳丘長86m、 そして大日山35号墳・墳丘長86mが三大古墳で、以下、井辺八幡山古墳・墳丘長70m、大谷山22号墳・墳丘長70m、大谷古墳・墳丘長70mと続き、上位の古墳はすべて県都・和歌山市内にあります。

大日山35号墳
造出の埴輪列(復元)
翼を広げた鳥形埴輪
翼を広げた鳥形埴輪(紀伊風土記の丘資料館展示)
大日山35号墳
名称 大日山35号墳/だいにちやまさんじゅうごごうふん
所在地 和歌山県和歌山市鳴神
関連HP 紀伊風土記の丘公式ホームページ
電車・バスで JR和歌山駅から和歌山バス紀伊風土記の丘行きで20分、終点下車、徒歩25分
ドライブで 阪和自動車道和歌山ICから約3.5km
駐車場 和歌山県立紀伊風土記の丘(80台/無料)
問い合わせ 和歌山県立紀伊風土記の丘 TEL:073-471-6123/FAX:073-471-6120
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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