元興寺

南都七大寺の1つに数えられる奈良の古刹が元興寺(がんごうじ)。蘇我馬子が飛鳥(あすか)に建立した日本最古の仏教寺院・飛鳥寺(法興寺)がその前身。平城京で元興寺(がんごうじ)と名前を変え、奈良時代には東大寺に次ぐという寺格を誇った寺で、法興寺の最後まで残存した僧房の遺構が残され国宝になっています。

蘇我馬子建立の飛鳥寺が前身という奈良の古刹

日本最古の仏教寺院である明日香村の飛鳥寺(法興寺)は、平城京への遷都によって、718(養老2)年に現在の奈良に移され、南都七大寺(興福寺、東大寺、西大寺、薬師寺、元興寺、大安寺、法隆寺)のひとつとして繁栄します。
現在、飛鳥にある寺を「法興寺」「本元興寺」、平城京の方の寺を「元興寺」と称しています。

平城京遷都に際し、多くの寺は、平城京内に移ったわけですから、想像以上の引越騒動が繰り広げられたに違いありません。

逆に都が京に遷った平安京への遷都以降は、平安京設立の理由が旧来の仏教勢力との決別という意味合いもあったので、法興寺も京へは移転せずに衰退の道を辿ります。
平安時代末期までにかなり衰退し、室町時代には土一揆の戦火により南大門、中門、金堂、講堂が北に直線で並ぶ四天王寺式の大伽藍を焼失。

極楽院(現在の元興寺)は奈良西大寺の末寺となって真言律宗寺院となり、極楽院の南にある元興寺観音堂は東大寺の末寺となり、存続しました。

現在の元興寺に創建当時から残っている建物は国宝に指定された極楽坊本堂(曼荼羅堂)と禅室。
極楽坊本堂は、鎌倉時代の1244(寛元2)年、旧僧房の東端部分を改造したものです。
禅室は、元興寺旧伽藍の東室南階大房(僧坊)の遺構。
とくに極楽坊本堂の屋根瓦は、飛鳥寺に使われていた飛鳥時代の瓦が数千枚も残されています。

東大寺の門を移築した東門は室町時代の築で国の重要文化財。

中院町に元興寺極楽坊が残されるほか、芝新屋町に元興寺塔跡、西新屋町に元興寺小塔院跡があります。

元興寺は真言律宗の寺で、本尊は『智光曼荼羅』(ちこうまんだら)。
元興寺は「古都奈良の文化財」として世界遺産の登録されています。

元興寺
名称 元興寺/がんごうじ
Gangoji Temple
所在地 奈良県奈良市中院町11
関連HP 元興寺公式ホームページ
電車・バスで JR奈良駅から徒歩20分。または近鉄奈良線奈良駅から徒歩10分
ドライブで 京奈和自動車道木津ICから約7km
駐車場 東門駐車場(12台/無料)
問い合わせ 元興寺 TEL:0742-23-1377/FAX:0742-23-1378
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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