山口県山口市道場門前1丁目、道場門前商店街の一画にある大内塗(おおうちぬり)・大内人形(大内雛)の製造販売所が、桑原大内塗漆器大内人形製作所。店の工房では、大内塗の加飾工程を見学できるほか、家内安全のお守りとして人気が高い大内人形も直売されています。
心和む大内人形の表情にも注目
大内塗は、深い朱色の地塗りの上に、色漆でハギやススキなどの秋草を描き、金箔で大内氏の家紋「大内菱」(おおうちびし)をあしらった塗りもの。
漆を何度も塗り重ねるので、丈夫で退色しないのが特徴です。
盆や重箱などもありますが、大内人形(大内雛)が有名で、旅行者のお目当ても、この大内人形がほとんどです。
大内人形は、男女和合のシンボルでもあり、一家平和の守護神とされ、近年は、ぼんぼりや屏風をセットに雛人形の代用としても人気があります。
桑原大内塗漆器大内人形製作所で製造販売される大内人形は、まるで主人の人柄がそのまま出たような穏やかな顔立ちに思わず心が和みます。
漆塗り純金箔・金粉で仕上げた丸型を基本にした男女1対のお人形で桐箱入り。
サイズは直径4.5cmほどの手頃な価格のものから各種あり、予算、置き場所などにあわせて購入できます。
大内人形のほか、菓子鉢、丸盆、重箱、花器、夫婦箸などの塗り製品も用意、復興した大内塗を今に伝えています。
大内塗、大内人形の歴史
大内人形は24代・大内弘世(おおうちひろよ)が、京より迎えた美しい姫(陽緑門院三条氏)があまりに都を恋しがるので、都から人形師を呼び寄せ、大内御殿の一室を人形で飾って慰めようとしたことがルーツといわれ、大内文化のシンボル的な存在。
ただし、大内氏は李朝朝鮮との交易に漆器を使っていたことがわかっていますが、生産地は定かでなく、山口でどのような塗り物が作られていたのかは定かでありません。
藩政時代に毛利氏が拠点を山口から萩に移したため、繁栄した漆器も姿を消しつつありましたが、明治時代に『山口県風土誌』をまとめた郷土史家・近藤清石(こんどうきよし)が毛利家の所蔵品から豪華な大内塗の「大内千人椀」を発見。
これをもとにして近藤の指導で再興されたのが大内塗です(大内塗という言葉もこのときに創作)。
大内人形も大正8年、山口県工業試験場木工科漆工科が設立、大正12年頃に安藤広吉が創案した人形が原型だといわれています。
それを受け継ぐ桑原大内塗漆器大内人形製作所は、昭和8年創業の老舗。
桑原大内塗漆器大内人形製作所 | |
名称 | 桑原大内塗漆器大内人形製作所/くわばらおおうちぬりしっきおおうちにんぎょうせいさくじょ |
所在地 | 山口県山口市道場門前1-2-5 |
関連HP | 桑原大内塗漆器大内人形製作所公式ホームページ |
電車・バスで | JR山口駅から徒歩8分 |
ドライブで | 中国自動車道山口ICから約6km |
駐車場 | 周辺の有料駐車場を利用 |
問い合わせ | 桑原大内塗漆器大内人形製作所 TEL:083-922-1780 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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