山口県萩市浜崎町、萩城下の北東、松本川の河口に位置する浜崎港一帯のレトロな町並み10.3haが、国の重伝建に選定される、萩市浜崎伝統的建造物群保存地区。萩市内には4ヶ所の重要伝統的建造物群保存地区がありそのひとつですが、浜崎は港町としての指定です。
長州藩の玄関湊・浜崎にレトロな町並みが現存
萩城の城下町が形成された阿武川下流デルタに、城下町の形成にともなって開かれれた港町が浜崎。
藩政時代には北前船の寄港地だったため廻船業、さらには水産業で栄え、大正時代〜昭和初期にはイリコ(萩沖で獲れたカタクチイワシを天日干ししたもの)や夏ミカンの交易で栄えた港町です。
北前船に関しては船の大型化に伴い、河口に位置し水深の浅い浜崎は敬遠されるようになりました。
それでも玄関港として、城下町の発展とともに17世紀後半、港から南に向かう本町筋を中心に、街並みが形成。
当時の町並みの中心は海に面して建てられた浜崎代官所で、萩藩の富は、北前船による交易と、豊富な漁業から得られたものでした。
藩主が乗船した御座船、軍船を格納した旧萩藩御船倉は、屋根を葺いた旧藩時代の船倉としては現存唯一の遺構で、国の史跡になっています(4棟あったの船倉のうち最大のものが現存、往時は水辺にありましたが埋め立てで内陸に)。
東西320m、南北530m、面積10.3haの範囲が、保存地区に指定され、江戸時代以来の町割や家並みが現存しています。
建物は、江戸時代から昭和初期に建てられたものが多く残り、江戸時代の築造と推定されるものは40棟余、江戸時代から明治・大正・昭和前期にかけて建てられた町屋なら100棟以上が現存しています。
全体に切妻造り平入り2階建ての建物が一般的で、真壁を用いた町家建築の街並みとしても注目度が高いものです。
大正14年、萩の迎賓館として創業した「萩の宿 常茂恵」(はぎのやどともえ)のほか、蔵や古民家ををリノベーションした宿泊施設もあります。
毎年5月には『浜崎伝建おたから博物館』が開催され、各家に伝わるおたからの展示、地元住民による浜崎ガイドツアー、蚤の市、地元特産品販売などがおこなわれるほか、通常は非公開の旧萩藩御船倉が公開されます。
浜崎伝建地区無料駐車場も整備され、ドライブ途中の立ち寄りも可能です。
萩市内には浜崎(港町)のほか、堀内地区(ほりうちちく/武家町)、平安古地区(ひやこちく/武家町)、佐々並市(ささなみいち/宿場町)の4ヶ所の国選定重要伝統的建造物群保存があり、それぞれに特色があります。
萩市浜崎伝統的建造物群保存地区 | |
名称 | 萩市浜崎伝統的建造物群保存地区/はぎしはまざきでんとうてきけんぞうぶつぐんほぞんちく |
所在地 | 山口県萩市東浜崎町 |
関連HP | 萩市観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR萩駅から萩循環まぁーるバス西回りで25分、御船倉入口下車、徒歩3分 |
ドライブで | 中国自動車道山口ICから約44km |
駐車場 | 浜崎伝建地区無料駐車場(24台/無料) |
問い合わせ | 浜崎しっちょる会 TEL:0838-22-0133 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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