狩宿の下馬桜

富士宮市にある日本一ともいわれるヤマザクラ(山桜)の古木で国の特別天然記念物(学名アカメノシロバナヤマザクラ)。鎌倉に幕府を開いた源頼朝が1193(建久4)年、「富士の巻狩り」を行なった際、馬から下りたところというのが名の由来。下馬の際、桜に馬を繋いだともいわれ、「駒止めの桜」とも呼ばれています。

国内最古のヤマザクラが富士宮に!

源頼朝が行なった「富士の巻狩り」は、1193(建久4)年5月、御家人を集めて富士山麓で行なった大軍事演習。
頼朝の権力を全国の武家に示すという政治的な意味合いもあったと推測されています。

巻狩りとは、野にいる鹿や猪などを四方から取り囲み、囲いを縮めながら獲物を追いつめて射止める大規模な狩猟のこと。
徳川家康が好んだ鷹狩りもやはり、駿河での軍事演習と政情視察の意味合いがありました。

『吾妻鏡』には「射手たる輩の群参、あげて計ふべからずと云々」と記されているので、頼朝の「富士の巻狩り」は御家人が大動員されたことがわかります。

そんな「富士の巻狩り」ゆかりの桜が「狩宿の下馬桜」(国の特別天然記念物「狩宿の下馬ザクラ」)。
樹高35m、幹回り8.5mの巨木で、樹齢は推定800年超。

徳川幕府最後の将軍である徳川慶喜は、「あわれその駒のみならず見る人の 心をつなぐ山桜かな」と詠んでいます。

「日本五大桜」のひとつ!

三春の滝桜(福島県三春町)、石戸蒲ザクラ(埼玉県北本市)、山高神代桜(山梨県北杜市)、根尾谷の淡墨桜(岐阜県本巣市)と並び、「日本五大桜」にも数えられている日本を代表する巨桜で、開花時期は例年4月中旬頃。

「富士の巻狩り」の際に陣所となった「井出館」は、江戸時代中期の上層農家の建物が現存しています(鎌倉時代には現在の井出館の北東側にありましたが現存していません)。
その門前にあるのが「狩宿の下馬桜」なので、頼朝が下馬した話にも信憑性があります。

狩宿の下馬桜
名称 狩宿の下馬桜/かりやどのげばざくら
所在地 静岡県富士宮市狩宿98-1
関連HP 富士宮市公式ホームページ
電車・バスで JR富士宮駅から白糸の滝行きバスで25分、狩宿の下馬桜入口下車、徒歩10分
ドライブで 新東名高速道路新富士ICから約15.8km
駐車場 40台/無料(桜の北側に臨時駐車場を開設)
問い合わせ 富士宮市観光課 TEL:0544-22-1155
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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