山口県長門市通(かよい)、かつて北浦捕鯨の一大基地として栄えた青海島の東端、通地区にあるクジラの博物館が、くじら資料館。屋根の上にクジラのモニュメントをのせた建物で、「鯨一頭捕れば七浦賑わう」といわれた、往時の古式捕鯨の用具、解体の様子などを解説しています。
古式捕鯨の仕組み、解体の様子などを知る
江戸時代から明治時代まで、北浦と呼ばれる沿岸地域は、下り鯨(冬時期に子育てのため、暖かい海に南下するクジラ)の通り道にあたることから、寄り鯨を捕らえるための鯨組が組織され、網に追いたて、銛を突く網捕り式の古式捕鯨でクジラを捕獲していました。
当時の捕鯨はまさに命がけで、大漁を祝う『鯨唄』も豊漁と、命の無事への祈りを込め、鯨の死を心から悼みながら歌われていたのです(そのため、歌うときにも手を叩きません)。
その後、近代捕鯨の誕生で、沿岸捕鯨は衰退していきました。
古式捕鯨の鯨組の人々、そしてそれで潤った通地区の人々には、クジラから恩を受けているという気持ちが強かったため、捕獲したクジラに人間と同じように戒名を付けて寺に葬っていました。
鯨墓は、クジラの胎児の墓。
その鯨墓近くに、平成5年に開館したのが「くじら資料館」で、国の重要有形民俗文化財に指定される「捕鯨用具」(140点)を中心に、300年以上前の捕鯨用具など貴重な資料が展示されています。
国の重要文化財に指定される「早川家住宅」は、捕鯨全盛時代に網頭を務めた家柄です。
くじら資料館 | |
名称 | くじら資料館/くじらしりょうかん |
所在地 | 山口県長門市通671-17 |
関連HP | くじら資料館公式ホームページ |
電車・バスで | JR仙崎駅からサンデン交通バス、防長交通バス通行きで23分、通漁協前下車、徒歩5分 |
ドライブで | 中国自動車道美祢ICから約41km |
駐車場 | 8台/無料 |
問い合わせ | くじら資料館 TEL:0837-28-0756/FAX:0837-28-0756 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
最新情報をお届けします
Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!
Follow @tabi_mag