周防灘(すおうなだ)に面し、古代から水陸交通の要衝として栄えたのが現在の山口県防府市。地名は奈良時代に周防国の国府が置かれたことに由来しますが、天平13年(741年)、聖武天皇の勅願により全国に建てられた国分寺の後継寺院が、周防国分寺(すおうこくぶんじ)。高野山真言宗の別格本山です。
周防国の国府近くに建てられた国分寺
当初の伽藍は、応永24年(1417年)に焼失していますが、応永28年(1421年)、大内盛見(おおうちもりはる)が金堂(本堂)を再建しています。
現存する金堂は、安永8年(1779年)、港湾整備などで財政再建に尽力した長門長府藩第8代藩主・毛利重就(もうりしげなり)の再建で、旧周防国分寺の金堂跡に建っています。
国の重要文化財の金堂には藤原時代初期の木造日光菩薩・月光菩薩立像、木造薬師如来坐像など、国の重要文化財に指定された仏像や宝物が安置されています。
現存する仁王門は、文禄5年(1596年)に毛利輝元が再建したもの。
明和4年(1767年)に毛利重就が大修理を施しています(山口県の文化財)。
松や楠の巨木が茂る「周防国分寺旧境内」は国の史跡。
往時のものではありませんが、境内に残る伽藍配置が、創建当初とほぼ同じ位置にある国分寺は、全国的にも珍しい貴重な後継寺院となっています。
南東1kmほどの場所には、周防国衙跡(すおうこくがあと=国府に置かれた役所跡)があり、周防国衙跡史跡公園として整備されています。
周防国分寺 | |
名称 | 周防国分寺/すおうこくぶんじ |
所在地 | 山口県防府市国分寺町2-67 |
関連HP | 周防国分寺公式ホームページ |
電車・バスで | JR防府駅から防長バスで20分、国分寺前下車 |
ドライブで | 山陽自動車道防府東ICから約3km |
駐車場 | 10台/無料 |
問い合わせ | 周防国分寺 TEL:0835-22-0996 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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