吉香神社

吉香神社

山口県岩国市の吉香公園(きっこうこうえん)にある岩国藩主・吉川家(きっかわけ)歴代神霊を祀るのが吉香神社(きっこうじんじゃ)。明治5年に吉川家の氏神社3社(治功社、高秀社、鎮昭社)を統合した神社。岩国藩は毛利元就の次男・吉川元春を祖とし、明治維新まで吉川家が代々の藩主を務めています。

移築された建物ですが、社殿は国の重要文化財

吉香神社

岩国藩は、長州藩は幕末まで支藩と見なしていましたが、幕府に届けがないため、徳川幕府は外様大名扱いしています。
本丸には4重6階の天守などを上げていましたが、山麓の錦川べりに御土居を構え、廃城後はここが陣屋で、短い間ですが岩国県庁にもなりました。

その後、御土居跡に明治18年、白山比咩神社(白山神社)境内から吉香神社を曳家し、同時に吉香公園が開設されています。
現存する社殿(本殿、拝殿、神門)は、吉川興経を祀る治功大明神(治功社)として享保13年(1728年)に造営されたもので、国の重要文化財に指定されています。
全国的にも数少ない藩主の神霊を祀る神社建築で、岩国藩大工の高い技量がうかがえます。

治功大明神(治功社)は、元亀4年(1573年)、安芸国山県郡新庄村(現・広島県山県郡大朝町)の竜山八幡宮の境内に、吉川興経(きっかわおきつね/戦国時代の武将で吉川氏14代)の霊社として、吉川元春・同元長父子によって創建されたもの。
後に岩国の椎尾八幡宮境内に、さらに享保13年(1728年)に岩国・横山の白山比咩神社(白山神社)境内に遷されています。
寛政5年(1793)、白山比咩神社(白山神社)境内に、吉川経義(きっかわつねよし/平安時代末期から鎌倉時代初期にかけての武士で、駿河国吉河荘=現・静岡市清水区を領有して吉川氏を名乗る)を祀る高秀社、吉川広家(きっかわひろいえ/初代岩国藩主)を祀る鎮昭社を創建。
治功社を含めたこの3社が吉香神社の前身です。

吉川氏のルーツは静岡市清水区吉川
安芸国(広島県)岩国を領有した吉川家は、駿河国吉川(するがこく・きっかわ=静岡市清水区吉川)の地に発祥し、鎌倉時代には御家人を務めていました。
昭和18年には、吉川子爵家(吉川宗家第30代、岩国吉川家第14代、吉川元光)が宗家初代、吉川経義の750年祭を記念して築造した墳墓(初代経義以下、友兼、朝経、経光に至る草創期4代の合葬墓)も築かれています。
参勤交代の際、岩国藩主吉川氏は必ず参詣していた吉川八幡神社(よしかわはちまんじんじゃ)もあり、寛政元年(1789年)周防国岩国藩主・吉川経倫が奉納した旧鳥居も現存しています。
吉香神社
名称 吉香神社/きっこうじんじゃ
所在地 山口県岩国市横山2-8-5
関連HP 岩国市公式観光Webサイト
電車・バスで JR岩国駅から市営バス錦帯橋・新岩国方面行きで20分、錦帯橋バスセンター下車、徒歩で錦帯橋を渡ってすぐ
ドライブで 山陽自動車道岩国ICから約5.5km
駐車場 上河原駐車場(110台/無料、3月~5月と9月~11月の土・日曜、祝日は有料)
問い合わせ 岩国市観光振興課 TEL:0827-29-5116/FAX:0827-22-2866
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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