蔵王・熊野岳

蔵王・熊野岳

山形・宮城県境にそびえる蔵王連峰(蔵王山)の最高峰が熊野岳。標高は1841m。蔵王温泉からなら蔵王ロープウェイを乗り継いだ地蔵山頂駅(標高1661m)からアルペンムードを満喫しながら熊野岳に到達可能(地蔵岳から稜線を歩くので荒天時や霧の時は危険)。山頂には蔵王山神社(熊野神社)の祠や斎藤茂吉の歌碑が立っています。

山頂には熊野信仰の熊野神社が鎮座

さらに10分ほど歩いた馬の背まで足を伸ばせば眼下に蔵王のシンボル、お釜を眺望。
ポスターなどで有名なアングルはこの馬の背からのもの。
地蔵山頂駅から熊野岳は徒歩1時間。
刈田駐車場からの登山する場合は、馬の背を経て到達。
公共交通機関を利用すれば、刈田駐車場(蔵王刈田山頂バス停/白石蔵王駅から宮城交通バス・山形駅から山交バス=本数が少ないので注意が必要)〜馬の背〜熊野岳〜地蔵岳〜蔵王ロープウェイ地蔵山頂駅というルートも可能。

ちなみに深田久弥の『日本百名山』では蔵王山として、一座に加えています。

蔵王山上の熊野権現と蔵王権現

熊野神社(明治初年の神仏分離以前は熊野権現)が熊野岳山頂に建立されたのは和銅元年(708年)のこと。
熊野修験の信者からは、今も「東のお山」と呼ばれています。
熊野岳山頂の熊野神社は、瀧山神社(本宮/瀧山大権現)、酢川神社(口ノ宮)、熊野神社(離宮)の三社一宮の熊野信仰の中心的な地です。

蔵王山という山名は、吉野山(奈良県)から平安時代に蔵王権現が勧請されたから。
刈田岳にある「蔵王大権現社」がその信仰の中心です。
もともと、蔵王という呼称は、蔵王権現信仰がもたらしたもの。
山形側では熊野信仰の三社一宮が信仰の中心だったともいわれていますが、熊野岳へと登る蔵王古道宝沢口の道沿いにも蔵王権現が祀られています。
つまり、蔵王には、熊野をルーツとする熊野権現信仰、吉野を源とする蔵王権現信仰のふたつの神仏習合が根付いているのです。

奈良・平安の昔に、東北の火山峰に熊野、吉野の信仰が伝わっていたことになり、蔵王山が歴史ある名山、霊峰であることがよくわかります。

名称 蔵王・熊野岳
所在地 山形県山形市蔵王温泉
電車・バスで JR山形駅から山形交通バス蔵王温泉行きで36分、終点下車、徒歩6分、蔵王ロープウェイを利用し、地蔵山頂駅から徒歩1時間
ドライブで 東北自動車道白石ICから約35.7kmで刈田峠
駐車場 300台(刈田山頂駐車場)/無料
問い合わせ 蔵王町観光案内所TEL:0224-34-2725
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

蔵王ロープウェイ(山頂線)

蔵王ロープウェイ(山麓線)を利用して上った樹氷高原駅(標高1331m)と蔵王山上の地蔵山頂駅(標高1661m)を結ぶゴンドラ。標高差329m(全長1872m)を10分で結んでいます。16台のゴンドラがぐるぐると循環する「フニテル」で運行。箱

蔵王ロープウェイ(山麓線)

蔵王温泉にある蔵王山麓駅から樹氷高原駅を経由して地蔵山頂駅とを結ぶ東武グループ(蔵王アストリアホテルと同経営)のロープウェイが蔵王ロープウェイ。山麓線は蔵王山麓駅と樹氷高原駅(標高1331m)の間、高低差464m(全長1734m)を53人乗

蔵王地蔵尊

蔵王ロープウェイ地蔵山頂駅近くにある石仏が蔵王地蔵尊。高さ2.34mの大きな地蔵尊の坐像は、1775(安永4)年の造立。37年もの歳月をかけて建立された地蔵尊で、この地蔵尊の設置後は山での遭難が減ったと伝えられています。毎年5月24日と9月

蔵王・刈田岳

蔵王・刈田岳

宮城・山形県境にそびえる蔵王連峰(蔵王山)の最高点は山形市側の熊野岳(1841m)ですが、宮城県蔵王町側の最高峰が標高1757.8mの刈田岳(かっただけ)。山頂には刈田嶺神社が鎮座し、蔵王のシンボル御釜を眼下にする地ですが、奈良時代に吉野山

蔵王山 御釜

蔵王山は宮城県と山形県の県境に位置する活火山。御釜(おかま)は南側の刈田岳(1757.8m)、北西の熊野岳(1841m)、東の五色岳(1672m)に囲まれた火口湖。湖面はエメラルドグリーンの水をたたえ蔵王連峰のシンボルともなっています。湖水

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!

よく読まれている記事

こちらもどうぞ